人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

今日の1冊

生きて死ぬ力 / 石上智康

君津光明寺の住職さんが書いた本だ。多分に宗教的な内容ではあるが、私達の日常に溶け込むよう易しく、短く、語り掛けている。 タイトルにあるように、「生きて死ぬ力」を与えてくれる本だ。 生きる苦しみ。 それは変化を恐れることから生まれて来るもの。 …

あの頃ぼくらはアホでした / 東野圭吾

親愛なるバンド仲間のご子息おすすめの一冊。奇遇にも、最近東野作品を読み終わったばかりである。 映画の作品も二つほど観ているが、心に突き刺さるような感動の物語であった。 そんな東野圭吾が語る、自分の過去。軽快なエッセイだ。 「アホでした」などと…

失われた名前 / マリーナ・チャップマン

衝撃の連続であった。そしてこの衝撃が全て事実と言うことが、また衝撃である。 サルと暮らした少女マリーナの話だ。 マリーナ、という名前は後から付いたものである。 少女は幼い頃誘拐され、ジャングルでサルと暮らし、名前を無くす。 それはもう、壮絶な…

凍 / 沢木耕太郎

「深夜特急」を夢中になって読んだのは、もう何十年前の事か。 今回もノンフィクションだが、自身の事ではなく、登山家・山野井泰史の壮絶なアタックの記録になる。 山野井は、「無酸素・ソロでのアルパインスタイル」にこだわるクライマーだが、もう標高で…

手紙 / 東野圭吾

この本が届いて手に取った時、「しまった!」と思い出したのである。これは映画で観た作品だった。しかも酷評した(笑) 気が重かったが、原作としてまた違う感想になるかもしれない。・・・と読み始めたのだが。 惹き込まれるのに、そう時間はかからなかっ…

消された一家・北九州連続監禁殺人事件 / 豊田正義

サイコパスとは精神の奇形である。 彼らは共感する能力を欠き、他人の感情や不幸に対して無情で冷笑的だ。 それどころか人を騙していたぶり、不幸のどん底に落とし込むことを喜んで行う、 恐怖の叫び声を上げる被害者を前にして、サイコパスはせせら笑う。 …

BLACK FLAGS(下) / ジョビー・ウォリック

上巻を読み終えたのは、もう1月の話か。 サクサク読めるような本ではない。眠剤のせいもあるのか一度に2、3ページも読むとすぐに眠くなってしまい、翌日になるとその半分も覚えておらずまた遡って読む繰り返しだ。 そのうちだんだん興味も薄れ、本を読む…

BLACK FLAGS(上) / ジョビー・ウォリック

「テロ」ということに対して、日本人は関心が薄い。その脅威にさらされる危険が極めて低いからだろう。 オウム真理教の事件を「テロ」と分類されているが、どうもピンと来ない。 やはりテロとは、ターバン巻いたヒゲヅラが、無差別殺人を起こすイメージであ…

なんでも解決!もひかん家の家族会ぎ / もひかん

仕事で重大な事故を起こしてしまい、多額の借金を抱えてしまった「もひかん」。 妻と二人の子供、実母のばぁばと力を合わせてこの危機を乗り越えるべく始まった、月に一度の家族会議。などというと硬い響きだが、ママの目標は「痩せる」、「いい加減痩せる」…

加害者家族 / 鈴木伸元

帯には「身内の犯罪で、家族が生き地獄に!」と書かれている。 自分が犯罪を犯すか否かは自分にかかっているが、身内のそれはコントロールできないのである。誰にでものしかかってくる可能性があるのだ。自然災害と同じである。 世間の目は、加害者だけでは…

ぼくの死体をよろしくたのむ / 川上弘美

短編集だ。 穏やかではないタイトルだが、どの話もまったりとして優しさがある。 しかしどの話にも、明確な結末がない。それなのに、なぜか、何かが胸に残る不思議な作品集だ。 世の中の枠に上手くはまれない登場人物たち。 生きづらさを感じながらも、折り…

看取り先生の遺言 / 奥野修司

同じ奥野修司著の魂でもいいから、そばにいてにも登場した、在宅医療のパイオニア・岡部健氏。 そもそもがガンの専門医として大病院に勤めていたが、やがて「病院にはできないこと」に心を動かされていく。 余命いくばくもない患者に施される、過酷な治療。 …

グズほどなぜか忙しい!/ 杉山 崇

もうね、タイトルに射抜かれました(笑)私、常に忙しい。専業主婦なのに、なんで??と不思議で仕方がなかったのだ。 頑張っても頑張っても、減っていかない課題、家事。 その根本は、「グズ」だったのだ。 グズを捨て、ストレスのない人生を!という、自己…

魂でもいいから、そばにいて / 奥野修司

「東日本大震災後に起こっている、心霊体験のことを書いてみないか。」 ノンフィクション作家である奥野氏に打診したのは、2千人もの患者を看取った緩和医療のパイオニア・岡部健氏。 「臨終間際に起こる『お迎え現象』ならまだしも、幽霊話など・・・。」 …

J・BOY~ハリウッド音楽学校留学記 ~ / 目黒真二

音楽仲間の目黒さんがkindleで本を出したと知り、購入。 以前糖尿病の話をブログで読み、こういう言い方をしていいのか分からないがとても面白かったので(笑)興味があったのである。 1994年。 色々と思うところがあり、思い切って会社を辞めてアメリカ…

暗い森の少女 / ジョン・ソール

亡き母は、小説の翻訳をしていたのだ。 実は私は、母の翻訳した本を一冊たりとも読んだことがなかったのである。 ところが先日、母が「怖くて翻訳したくない」と言いながらやっていた本があると兄から聞いたのだ。 気になるじゃないかw ということで、母亡…

星の子 / 今井夏子

久しぶりに「小説」を読んだのだ。読みやすかったのでサクッと読んでしまった。 主人公は、中学生の女の子だ。それぐらいの歳ごろの子が読む本かなぁ?? 新興宗教にハマっている両親のもと、暮らしてきた中学3年生のちひろ。 お陰で家は貧しく、姉は家出、…

チベットの死者の書

父のところにあったのを、面白そうだから借りてきたのだ。意外と字が大きくて読みやすそうだったので。 チベット密教の経典だ。宗教における死後の世界というものを知りたかったのである。 まぁ、色んな意味で面白かった(笑) 宗教のことなのであまり変なこ…

パピヨン/田口ランディ

何しろビートルズに時間がかかってしまったので、どのような経緯でこの本がここにあるのか忘れてしまった。以前読んだ作品が良かったから、その延長線だったか。 田口ランディ。 この本では、生と死について、彼女なりの答えを出している。 生と死。 答えな…

真実のビートルズ・サウンド[完全版]

このカテゴリーの更新は、1年ぶりにもなってしまう。 言い訳になるが、今回読んだ本は570ページという長いもの、かつ小説ではなく曲の解説と言う細切れのものなので、続けて読んでいかなくてはという義務感がなかったのである。 故に、途中途中に全く読…

ロンドン・ペストの恐怖/ D・デフォー

このコロナ騒動の中、父が突然送ってきた本である。電話中にちょっと話題になったことで、思い出したようだ。 「ロビンソン・クルーソー」の著者が描く、1664年に流行したペストの、ロンドンでの様子である。 最初は静かな始まりであった。 得体のしれな…

帰国船 / 鄭 箕海

家にあった在庫から。もう紙が茶色に変色しているほど古い。1997年に発行された本だ。 脱北した人の手記である。 著者は、北朝鮮から日本に移住してきた両親と、茨城で暮らしていた。 1959年から北朝鮮は、日本へ渡った朝鮮人を呼び戻す帰国事業を推…

西の魔女が死んだ / 梨木香歩

家にあった在庫から。娘ぶー子が中学生の時に話題になった本だ。 表題の「西の魔女が死んだ」の後に、短編の「渡りの一日」が入っている。 ・「西の魔女が死んだ」 中学校の学校生活に馴染めなかった少女まいは、不登校になっていた。 そんなまいを心配した…

犬の力(下) / ドン・ウィンズロウ

いや~~、長かったEE:AE5B1 分厚い文庫本2冊、普通の量に換算すれば、5、6冊分ぐらいあったんじゃなかろうか。 長編映画を観終ったような気持である。 夢中で読んだ。 次々と怒涛のように巻き起こる展開に、ページを進める手が止まらない。 アメリカのシ…

犬の力(上) / ドン・ウィンズロウ

ビンゴゲームで当てた本だ。なので、自分の好み・興味云々抜きで、手元にやってきたのである。 果たしてそれは、麻薬組織、そしてそれを追う捜査官の話であった。ゴッドファザーばりの、マフィアもの。 しかし主人公は、その対極にいる捜査官である。 陰と陽…

ヒロシマ 消えたかぞく / 指田 和

まだ読んでない本の紹介になりますが。 この家族は、原爆によって6人が全員死んでしまったのだ。 正確に言うと、生き残った母親はみんな死んでしまったことに絶望して、井戸に身を投げてしまったとのこと。 写真を撮るのが趣味だった父親が撮って来た、家族…

鬱屈精神科医、占いにすがる / 春日武彦

精神科医である著者は、ある時から自身も深く鬱屈した状態にずっぽりはまり込んでいて、さながら精神病患者のようであった。 原因は不明。 しかし精神科医ならではの分析力で、自らを解析する。 容姿の悪いことで母親に常に後ろめたさを持ち、それを学力で補…

バッタを倒しにアフリカへ / 前野ウルド浩太郎

この本を手に取って、私は戸惑っていた。「なんでバッタの本など?」。 表紙はバッタのコスプレをしている著者。ふざけているのか。 ふざけてなんか、いない。大真面目だ。著者・前野氏は、いっそ食べられてしまいたい程に、バッタを愛していた。 そのバッタ…

原爆の記 / 指田吾一

本の在庫がなくなってしまったEE:AE5B1 次の本が届くまでのつなぎを探していて、娘ぶー子の本棚に見つけた本である。 この手の本は、学校で勧められたりするものだ。そういった関係から、ここに来たのだろうか? 読んでみたらこれは、元田無市長が書いたもの…

勝手にふるえてろ / 綿矢りさ

小説を読むと、ストーリーの展開だけでなく、「言い回しが面白い」というような作品に出会うことがある。 これもそんな本の中のひとつであった。 言葉とは、あまりこねくり回すと伝わりにくく、また鼻についたりすることがあるが、共感する部分があった時の…