君津光明寺の住職さんが書いた本だ。多分に宗教的な内容ではあるが、私達の日常に溶け込むよう易しく、短く、語り掛けている。
タイトルにあるように、「生きて死ぬ力」を与えてくれる本だ。
生きる苦しみ。
それは変化を恐れることから生まれて来るもの。
失いたくない。
腹を立て、落ち込んで。
死にたくない。
思い通りに生きていきたいという、執着。
あるがままの流れを当たり前と受け入れられれば、おのずと苦しみは生まれないのである。
そうは分かっていても、私達は人間だ。己の欲と、執着と、戦っていくことになる。
そんな私達に、住職は何度も語り掛けてくる。
正直、すぐに「なるほど!」とはなれない。
それでも、こういう考え方があるということを知っているのは、大きな救いになる。
自分次第だ。
自分に語り続けたい。
「われら、凡愚の者。」
ぽ子のオススメ度 ★★★★★
「生きて死ぬ力」 石上智康
中央公論社