私達はみんな忘れてしまっているが、同じ場所からやってきたのだ。
その場所が近いか遠いかは分からない。
意外とこの部屋の中だったり、空のもっと向こうだったり、それとも物理的概念から離れたところだったりするのかもしれない。
そもそも自分達自身が、物理的概念のない存在だったのだ。
形も持たず、言語も持たず、その魂の通じ合いのようなもので、コミュニケーションをとっていた。
そこがいわゆる「ホーム」だ。
喜びも悲しみもない、ニュートラルな世界。
でもそこに、あなたも私もいる。いた。
私達はまた、出会いたいと思う。
言葉を交わして、触れ合って、笑って、時には涙を流すことすら喜ばしい感情になるかもしれない。
そのために、ここに生まれてきたのだ。
言葉があり、感情があり、感覚がある。
ゼロの世界から、「また会おう」と言って降りて来たのだ。
その約束を忘れてしまっただけで、私達は、望んで出会っているのである。
死んだらまた会えるなどと考えるようになってから、生きることへの執着が薄れて来てしまった。
だから、生きる意義が必要だったのだ。
死後を美化しないで、生きることを美化してみた。
まぁ童話のような想像である。
でも、この世が修行の場だなんて、あまりにも殺伐としていないか。
魂あるもの全てと出会うために生まれて来たと考えれば、どんな出会いも大切になる。
ここでしか、できないことがある。
each other。
笑い合って、語り合って、触れ合って、慰め合って。お互いを感じること。
感覚でなく、言葉で。温度で。
そして音楽を聴いて、胸をときめかそう。
生きている!!