帯には「身内の犯罪で、家族が生き地獄に!」と書かれている。
自分が犯罪を犯すか否かは自分にかかっているが、身内のそれはコントロールできないのである。誰にでものしかかってくる可能性があるのだ。自然災害と同じである。
世間の目は、加害者だけではなくその家族にまで辛辣だ。その犯罪が凶悪であるほど、家族への当りも強くなる。それはまるで正義であるかの如く。
被害者家族への支援はあっても、まだまだ加害者家族への支援は行き届いていないのが、現状であった。
この本ではそんなさまざまなケースを取り上げているが、他の文献から拾ったものの集まりで、ひとつひとつの掘り下げは浅い。なので全体的に、驚くべき部分の寄せ集めの、週刊誌のような印象であった。
しかし最後の章では、加害者家族の現状、支援、被害者家族との比較など、社会的位置づけに焦点を当ててしっかり書き込んある。トータルでの起承転結は感じられた。
ただ、私が読みたかったのはこうした社会全体の話ではなかったので、少々お勉強チックで面白みには欠けた。
勉強にはなったが(笑)
ぽ子のオススメ度 ★★☆☆☆
「加害者家族」 鈴木伸元
幻冬舎新書