人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子56歳。

ぼくの死体をよろしくたのむ / 川上弘美

短編集だ。

穏やかではないタイトルだが、どの話もまったりとして優しさがある。

しかしどの話にも、明確な結末がない。それなのに、なぜか、何かが胸に残る不思議な作品集だ。

世の中の枠に上手くはまれない登場人物たち。

生きづらさを感じながらも、折り合いをつけてひたむきに生きている彼らの健気さに、心打たれるのかもしれない。

じんわりと染み渡るようなストーリーだが、しっかりとした結末が欲しい私にはちょっと不向きであった。

 

ぽ子のオススメ度 ★★☆☆☆

「ぼくの死体をよろしくたのむ」 川上弘美

小学館