上巻を読み終えたのは、もう1月の話か。
サクサク読めるような本ではない。眠剤のせいもあるのか一度に2、3ページも読むとすぐに眠くなってしまい、翌日になるとその半分も覚えておらずまた遡って読む繰り返しだ。
そのうちだんだん興味も薄れ、本を読むよりスマホをいじることの方が多くなってくる。
そんなんで、とてつもなく時間がかかってしまった。ばかりか、もう前半(どころかほとんど言っていい)は思い出せない。まともな感想は書けないが。間違いがあったらごめんなさい。この感想を見て「へ~、なるほど」などと思わぬよう。
ザラカウィ亡きイラクには、曲がりなりにも穏やかな日々が訪れた。
ところが不穏な火種はくすぶっており、それはシリアから発火する。
最終的にはイスラム教徒にも嫌悪されたザラカウィの残忍な手口だったが、新たな指導者バグダディもまた、過激で残忍だったのだ。しかし今度は支持者も絶えず、全世界から有志が集まって来る。バグダディは、ザラカウィの失敗を繰り返さなかった。巧みに人々を取り込み、組織を大きくしていく。
その悪い予兆はアメリカにも伝わっていたが、もうアメリカは動かなかった。
火種は燃え盛る炎となり、どんどん広がっていく。バグダディは、着実に彼らの理想郷を作り上げていった。
アメリカに見捨てられたシリア。いやもうそこは、バグダディの「カリフ国家」となったのか・・・。
史実に忠実に書き込まれ、当時のイラク情勢を知るにはいい。分かりやすいがしかし、史実に忠実であるがゆえに細かく、固有名詞も多く、そう言った意味では難しい。理解はできても次々上書きされ、残るものも残れないのである。何度ページを遡ったことか。
またスンニ派とシーア派の立ち位置が外部には非常に分かりにくく、この辺りの理解は投げた。
知らなかった分野の勉強になったと言いたいが、終わってみればどこまで理解できていたのか怪しいものである。
そこそこ下地のある方にお勧めしたい一冊だ。
ぽ子のオススメ度 ★★☆☆☆
「BLACK FLAGS(上)」 ジョビー・ウォリック
白水社