今週のお題「お弁当」
以前、テレビ番組か何かで見た光景だ。
確かフランスの、エッフェル塔あたりの公園のようなところで、フランス人が休日を過ごしている。
ベンチに座っている人もいる。芝生に座っている人もいる。多くは恋人同士、といった雰囲気である。
晴天。
緑の多い公園は、いきいきと緑色に輝いていた。
そんな場所で。
彼らはボトルワインを飲んでいるのである(笑)
抜いたばかりの栓の香りを嗅ぎ、あたかもレストランにでもいるような楽しみ方だ。
私は驚いた。さすがワインの国は違う。
とは言っても、日本の公園で日本酒を飲んでいるような輩はいない。
「公園で酒を飲む」という行為が驚愕だったのである。
それは蔑むような驚きではない。
羨望だ。
どうして我が国にそのような文化が芽生えないのか。
この頃からだろう。
私は彼らのように、ワインでピクニックをしたいという夢を見るようになった。
歩きワイン野郎が何を言うか、と突っ込まれそうだが、あれとは全然趣が違う。
飲みやすい容器に詰め替えたワインを歩きながら飲むのとは、訳が違う。
サンドイッチに洒落た総菜を綺麗にラッピングして、美味しいワインのボトルを開けるのだ!
目的地は葛西臨海公園と決めた。
そう、いよいよ実行の時が来た。
前日深酒が予想されるのが不安要素だが、手作りの弁当を作る。
大きなクロワッサンに生ハムと生野菜と玉子とチーズをサンドする。これだけは譲れない。
深酒の翌日だ。作れるのか?これまで何度、二日酔いでこういった計画が流れたことか。
ハードルは、弁当を作ることではない。
二日酔いをしないことなのだ。