人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

今日の1冊

桶川ストーカー殺人事件  -遺言 / 清水潔

1999年に起きた事件である。 桶川の駅前で女子大生がストーカーに殺された事件だが、これは単なる殺人事件ではなかった。 警察の怠慢、責任転嫁。 なんと、実行犯を割り出したのは、週刊誌の記者である著者であった。 初めのうちは取材として張り込んで…

破獄 / 吉村昭

吉村昭、続いてますが。 昔好きだったのである。こうして今読み返して、処分しているのだ。 家にあるものでは最後の1冊になる。 昭和初期に4回の脱獄に成功した男をモデルに描かれた、ノンフィクション小説だ。 今回も面白かった。 強盗殺人の罪で服役中の…

逃亡 / 吉村昭

昭和18年。 第2次世界大戦の真っ只中、戦況は悪化しつつあった。 20歳の幸司郎は霞ヶ浦海軍航空隊に身を置いていたが、きつい訓練と体罰に疲弊していた。 そんな時に出会った「山田」と名乗る男は、若い幸司郎のたったひとつの心のよりどころになってい…

殉国 / 吉村昭

第二次世界大戦末期、沖縄。 いよいよ米軍が上陸してこようという時である。 比嘉真一は学友たちと、とうとう戦地に赴くことになった。 この時をずっと待っていた。 沖縄を、この土地に住む老人・婦女子を守るため、少しでも多くの米兵を殺して自分も死ぬの…

関東大震災 / 吉村昭

本の在庫が尽きた。 また古本屋に行きたいが、その前に、処分を迷ったままずっと手元に残っている本がいくつかあった。 こうしてブログに残すことによって処分の決心がついたので、しばらく「処分待ち」だった昔に読んだ本を消化していこうと思う。 ノンフィ…

どうぶつ家族 / 岩合光昭

以前写真展に行ったときに買った写真集だ。 久しぶりに見たが、う~~、感動である。 タイトルの通り、動物の家族を主に撮っている。 アフリカ、オーストラリア、ハワイ、アラスカ・・・、世界中で、世界中の動物たちが溢れているが、木の上でだらしなく寝て…

ヘンリーの悪行リスト / ジョン・スコット・シェパード

翻訳ものはあまり読まないのだが、ふと魔が差して、しかも長編が読みたくなったのである。 しかし予想してはいたが、やはり言葉に違和感がある。 「本」はあらすじだけでなく、言葉も含めて作品なのだ。 翻訳だとあらすじは伝わるが、言葉としてはいかがなも…

アフガンの空 / 生野俊子

宣伝みたいで書くのがちょっとためらわれたが、母の自伝である。 40も歳の離れた親である、その生き様には興味があり、自伝を書くことを勧めたのであった。 もちろん趣味の範囲であり、儲けどころか出費だけの自費出版である。 父が出版社に勤めていたので…

重力ピエロ / 伊坂幸太郎

たった今、読み終わった。 すがすがしいエンディングだが、泣けた。 絆は遺伝子を超える。 「見ろよ、仁リッチ」。 私が本を選ぶときは、適当である。その場の気分だ。 タイトルでまず手に取り、簡単にあらすじを見る。 これが推理小説だとは思いもしなかっ…

デイジー・ミラー / ヘンリー・ジェイムズ

寝込んでいる間に、本を読むことにしたのだ。 気合が入らなかったので、薄っぺらいのを読むことにしたのだが、開いてみたら字が小さかったEE:AEB64 古い古い、本である。 若い頃、親に読まされたのだが、ハッキリ言って当時はつまらない本だと思った。 それ…

鏡の法則 / 野口嘉則

「人生のどんな問題も解決する魔法のルール」・・・だそうなEE:AE4E6 特に深刻な問題があった訳ではなく、帯の「読んだ人の9割が涙した!」の方が気になったのである。 ホントかよ?! 簡単にいうと、人を許すことによって自分の環境が変わるという事だった…

救命センターからの手紙 / 浜辺祐一

救命救急センターで日夜戦っているドクターが、手紙形式で語るセンターの日常だ。 「救命救急」というだけあり、時間を問わず運ばれてくる患者は重篤な状態の患者ばかりである。 著者が「戦場のような」と表現するほどの現場が生々しく語られているが、ぶっ…

バンド・オブ・ザ・ナイト / 中島らも

アル中小説「今夜すべてのバーで」以来である。 今度は薬物中毒だ(笑) 外国人にまで「ヘルハウス」と呼ばれ、ジャンキーの巣窟として有名な大島の家。 彼は一応幼い子供と妻と暮らしてはいたが、常にヤク中仲間が入り浸り、常に子供を除く全員がラリッてい…

インド人の頭ん中

好きか嫌いか、両極端に分かれると言われる国、インド。 その国について書かれている本は、実に多い。 それだけネタが尽きないのだろう。 これは、インドの魅力に憑かれ、2度の旅行の後4年間、女一人で住んだという人が見た生のインドである。 良く言われ…

愛がなんだ / 角田光代

基本的に恋愛小説は読まないが、例外的に読んだこの本はムチャクチャ面白かった! 「片思いって、なんて残酷で甘美なのだろう」 帯の言葉である。 平凡なOLテルちゃんは、マモちゃんに首ったけである。 一緒に酒を飲み夜を明かしても、ふたりの関係はハッ…

殺ったのはおまえだ / 新潮45編集部・編

外出中につき、自動投稿になっています。コメントのお返事が遅れますEE:AEAD9EE:AEAD9EE:AEAD9>> ナハハ、このシリーズ、まだ1冊残ってたのね。 今回は9つの事件に迫る。 どの事件も、新聞で読む表面的な事実より深く斬り込んでいて、興味深い。 何度も書…

今日、ホームレスになった / 増田明利

ホームレスに対して持つ感情は、我々のように安定した生活をしているものにはあまりいいものではないだろう。 汚い、だらしがない、人生の落伍者、そういったネガティブなもの。 彼らはなぜそんな生活をしているのか? ではない。 なぜそんな生活をしなくて…

父からの手紙 / 小杉健治

ミステリーはあまり好んで読む方じゃないのだが、「人と人との強い絆を描く感動策!」というフレコミに惹かれて読んでみたのだ。 初めて読む作家である。 麻美子の父親は、14歳の時に女ができたといって出て行ったきりであった。 その後会うことはなかった…

聖ヨゼフの惨劇 / 藤本ひとみ

ふじもっちゃん、続いてますが。一緒に買ったもんで。100円で。 今度は期待していたドラマを充分堪能できたと思う。 フランス革命真っ只中の、国境に近いフランス東部のモメリアン要塞は、脱獄不可能と言われる徒刑場となっていた。 無実の罪で拘留されて…

マリー・アントワネットの娘 / 藤本ひとみ

フランス史の小説を書かせたら天下一品の藤本ひとみ。 マリー・アントワネットについての本は多く出ているが、その子供達の運命についてはあまり知られていない。 私などは「ベルサイユのばら」で書かれたことしか知らなかったが、そう言えば生き残った娘は…

遺書 / verb・制作

さまざまな理由で自殺を遂げた若者5人の「遺書」を基に、なぜこのような悲劇が起こったのかを追うノンフィクション。 亡くなった経緯に触れた後、遺族のインタビューが続く。 この本が伝えたいのは、亡くなった本人の無念もそうだが、残された者の行き場の…

昭和天皇の妹君

実は昭和天皇の弟・三笠宮崇仁親王に、双子の妹がいるというミステリアスなドキュメンタリーである。 大正天皇と貞明皇后の間に崇仁親王が生まれた当初は、まだ古い言い伝えや慣習が根強く残っていた。 昔は双子が生まれる事を「畜生腹」などと言って忌み嫌…

コワ~いキャバクラの話 / 別冊宝島編集部・編

風邪を引いて寝込んでいる間に娘ぶー子のマンガを読み漁ったが、「続きを読もう・・・」とぶー子の部屋に続きを探しに行った時に、そこで見つけた本だ。 おっ、コイツ、小説なんか読んでるのか、と思ったらこんな本でガッカリ。 しかしその「こんな本」もし…

その時殺しの手が動く / 新潮45編集部・編

ハイハイ、まだまだ続きます、「殺人者はそこにいる」シリーズ。 寝込んでいる間にガーッと読んじゃいましたEE:AE4DA 今回のレビューも、事件が変わるだけで前回・前々回と大差はありませんー。 どれを読んでも同じような感想になるかと思われ。 今回の事件…

殺戮者は二度わらう / 新潮45編集部・編

前回の「殺人者はそこにいる」のシリーズである。 一気に読んでまえ!! 前回同様、実際にあった事件9つを追う。 墓地で仲間の手により嬲り殺される16歳の少女。 この歳にして仲間たちとの生活は、偽装結婚、カード詐欺、車の盗難、キャバクラ稼業、借金…

殺人者はそこにいる / 新潮45編集部・編

ミステリーのようなタイトルだが、ドキュメンタリーである。 不可解な13の事件を、ひとつずつ掘り下げていく。 中には未解決のものも死刑を執行されたものもあるが、共通するものは「なぜ」という思いばかりが残る点である。 限りなく「クロ」なのに、物証…

アルジャーノンに花束を / ダニエル・キイス

ストラウスはかせわぼくが考えたことや思い出したことやこれからぼくのまわりでおこたことわぜんぶかいておきなさいといった。 そんな書き出しで始まった、主人公チャーリイの「経過報告」に、まず度肝を抜かれる。 精神薄弱者のチャーリイはある日、ビーク…

幸せをつかんだ犬たち / 北浦清人

読んでみたら、前に一度読んだ本であった(笑) まぁほとんど覚えてなかったので新作同様だが。 犬を保護し続けている人の本だ。 ある日迷い犬を連れて帰った事をきっかけに、何百という犬を保護するちょっとした団体にまでなり、今ではもうその道のプロであ…

THE ARRIVAL / ショーン・タン

テルミンが欲しくて「大人の科学」を探し回っていて、出会った本である。 一応絵本にカテゴライズされていたが、大人も子供も読める本ではないかと思う。 「字のない絵本」との事で手に取ってみたが、セピア色の絵は写実的で、絵本と言うよりまるで無声映画…

逃げたいやめたい自衛隊 / 根津進司

自分の知らない世界を垣間見るのは、非常に興味深い事である。 自衛隊。 恐らくかなり閉鎖的であろうその組織について、私は大きな誤解をしてると思っていた。 いまだに軍隊のような生活を強いられ、辛い訓練に耐えてさえいれば高い給料がもらえる、そんな誤…