人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子56歳。

幸せをつかんだ犬たち / 北浦清人

読んでみたら、前に一度読んだ本であった(笑)

まぁほとんど覚えてなかったので新作同様だが。

犬を保護し続けている人の本だ。

ある日迷い犬を連れて帰った事をきっかけに、何百という犬を保護するちょっとした団体にまでなり、今ではもうその道のプロである。

捨て犬、迷い犬、怪我をした犬・・・。

いつになっても不幸な犬の数は減らないが、著者北浦氏は地道に保護し、新しい家族を見つけていく。

悲惨な出会いからは想像できないほど、犬達は幸せになっていくのである。

そういう意味では心暖まる話だが、あまりの不幸な犬の多さ、保護活動の精神的・肉体的過酷さに暗い気持ちになった。

中でも、狩猟場に置き去りにされる犬の話には、憤りを感じた。

狩猟の始まるシーズンには、狩猟犬をうまく使いこなせない飼い主が置き去りにする。

シーズンが終わると、「御用済み」と捨てていかれる。

犬というのは忠実に人間に仕える動物であり、捨てて行かれてもなお、飼い主を求めて山中をさまよい歩くのである。

中には銃で撃ち殺されている犬もあり、北浦氏は「足を骨折させられて散弾を撃ち込まれた犬」を保護した事もあった。

また、保健所に拘留されている犬も、全てを助けることはできないのだ。

引き取り手のつきやすい、元気で若い犬を選ばなくてはならない。

それでも「つい」、と連れて帰ってしまう事も多々。

もうどうにも手の施しようのない犬を連れて帰り、病院へ連れて行き、短い最後の時間を一緒に過ごした話は泣けた。

「幸せをつかんだ犬たち」の話である。

ぽ子のオススメ度 ★★★★☆

「幸せをつかんだ犬たち」 北浦清人

幻冬舎文庫 ¥533+税