人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子56歳。

死に心地

もうホントに、生きた心地がしなかったよ・・・・・・・。

 

夜、ダンナとふたりでみっちゃんのお散歩。友人宅へお披露目に、少し足を伸ばす。

犬好きな友人夫妻だ。扱いも上手く、ビビリのみっちゃんとの距離も短い時間で確実に縮まっていく。

油断したといったら噓ではないが、まさかこんなことが起こるとは全く想定できなかった。

突然ハーネスがスッポ抜けて、みっちゃんが道路に飛び出してしまったのである。

 

一瞬にしてどうするべきかと色々頭を駆け巡ったが、向こうから車のライトが近づいていた。

もうダメだ、顔を覆ってしゃがみ込んでしまった。

 

恐る恐る顔を上げると、車は止まってくれていて、みっちゃんが道路の真ん中でウロウロしていた。

ぶつからなかったんだ(泣)

でもまだ安心できない。逆方向からも車が向かってきているし、みっちゃんは近寄ると逃げてしまう。

 

こちらがじっとしているとジリジリと寄って来る。ギリギリのところで首輪に手を掛けようとするのだが、すり抜けてしまう。

逆方向から来た車も停まってくれたが、今度はバイクがそれを抜かそうとしている。

そうこうしているうちに、ダンナが何とか捕まえてくれたのだ。

車に頭を下げて、一件落着。

落着とは言っても、もう怖くて怖くて頭が真っ白である。

リードをつけるまでは安心できないが、手が震えて上手くいかない。

友人夫妻がお店に入れてくれ、やっと落ち着いたのだった。

 

「何とかしないと」が「もうダメだ」に変わった時の絶望。私は諦めてしまったのである。

みっちゃんがはねられるところを見たくなかった。

そんな自分の弱さへの嫌悪。

私はどうするべきだったのか。

今回は、運が良かった。

しかし今後運頼りにする訳にはいかない。

もう二度とこんなことが起こらないよう、対策を取るしかない。

「何とかしないと」も「もうダメだ」もないように。

 

泡食って道路で犬追い祭りをしている私に、「追いかけないで!」などと声をかけてくれた夫妻に感謝。

冷静さを欠いていたので、非常に心強かった。

 

首輪を掴んで捕まえたダンナにみっちゃんは噛みついたらしいが、手加減してくれたようでケガにはなっていない。

「戻ってきてくれて良かったね。」と言われた意味が、後になって分かった。そのまま逃げて行ってしまう犬も多いのだ。

こんなんでも絆は育まれていたのだろうか。

 

時に、みっちゃんを病院に連れて行った際に、全く同じことが違う犬で起こっていたのだ。

私は見ていないが、車に繋いでいた子が逃げ出して、道路に飛び出していたとのこと。

飼い主さんが四苦八苦していたと聞いて、「お~怖!そんなことになりたかないわ」などと他人事のように思っていたが、いやー飼い主さんの気持ちが良く分かったよ。

 

生きた心地がしなかっただろうな。