人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子56歳。

忠犬ミツコ

虫が出た。

 

大きな虫だ。

形や大きさはアシナガバチに似ているが、一回りぐらい小さくて色は黒。

家の中にいたのである。そりゃもう、ビックリした。

こんな時のために、虫取り網は常備してあった。それにしてもだ、こんなに大きいとさすがに怖い。

 

突然ブワッと飛んできたので、思わず小さな悲鳴が出てしまう。

すると、隣の部屋のミツコ(犬)が吠え始めたのである。

 

ケージの中にいるみっちゃんから、こちらは見えないはずだ。それなのに異変を感じて吠えるとは。私は感動してしまった。

きっとこの子は、私が強盗に襲われたら吠えてくれるぞ。

散歩でよそ様の犬に吠えまくって困り果てていたが、この子は意外と忠犬なのかもしれない。

 

 

「・・・・・・・疲れた・・・・・・・。」

昨日みっちゃんと散歩から帰ったダンナは、すっかり消耗してグッタリしていた。

「走ったの?」

「いや、精神的に・・・・・・。」

まず家を出たところで犬にバッタリ、「もう、家出てすぐのところだよ、出鼻くじかれたよ!」

その先でまたすぐにバッタリ、「だから戻ったら、」そこでもバッタリ、「前半にあれだけの犬が・・・。」

そのためコース変更を繰り返し、普段行かない道に興奮するみっちゃんはグイグイ引っ張るし、住宅地に入れば「人がいるんだよ!」人にすら過敏に反応するようになってしまったダンナ。「疲れた、心が折れた・・・・・・。」

 

笑えん。私の朝の散歩も似たようなものだったのだ。

まず最初の犬に激吠え、もう絶対に犬には会わせんと心に決め、犬センサーの感度を上げる。

前方に犬、Uターン、後ろにも犬、この時の絶望感よ。

今日の散歩は5時半に行った。朝の5時半。

さすがに犬の散歩も少なく、鳴かせることなく帰って来られたのだった。

まさかこの私が、朝の5時半に犬の散歩に行くようになるとは思いもしなかった。

 

しかしこんなミツコも、きっと窮地には助けてくれるに違いない。

もう何人たりとも、私に危害を加えることはできないのだ。

心強いパートナーである。と、信じたい(笑)

 

でも強盗とよそ様の犬と出会う確率を考えると、いくら忠犬だったとしてもだなぁ。