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ナハハ、このシリーズ、まだ1冊残ってたのね。
今回は9つの事件に迫る。
どの事件も、新聞で読む表面的な事実より深く斬り込んでいて、興味深い。
何度も書いているが、私にはこういった事件に対して「なぜ」という疑問が常にある。
動機ではなく、なぜそのようなことをする人間になってしまったのか、という疑問だ。
この本はそれに答えを出すきっかけを作ってくれる。
印象的だったのは平成13年、大阪教育大学付属池田小学校で、生徒八人が殺された事件である。
この話では、事件についてよりも犯人の父親の言葉が多く載せられている。
当時「鬼畜の父」と呼ばれた父親は、苦悩からかこの時はもうアルコール中毒になっており言葉ひとつひとつが気違いじみているのだが、それをそのまま活字にしているあたりが何とも滑稽で、悲しく、恐ろしい。
長男を首斬り自殺で亡くし、次男は殺人犯として刑務所へ、妻は精神を病んで入院したまま亡くなり、アルコールに逃げたくなる気持ちは分からなくはない。
しかしそうなる前に何とかならなかったのか、という思いも残る。
生まれながらの殺人鬼など、いないのだから。
ぽ子のオススメ度 ★★★★☆
「殺ったのはおまえだ」 新潮45編集部・編
新潮文庫 ¥476(税別)