好きか嫌いか、両極端に分かれると言われる国、インド。
その国について書かれている本は、実に多い。
それだけネタが尽きないのだろう。
これは、インドの魅力に憑かれ、2度の旅行の後4年間、女一人で住んだという人が見た生のインドである。
良く言われるのは「インド人はいい加減」という事だが、例えば電車やバスは平気で何時間でも遅れる、道を聞いてもまともな答えが返ってこないなど、なるほどそれは困る。いい加減だと言いたくもなるだろう。
しかしそれは日本人としての感覚であり、彼らにとってはごく当たり前の日常で、困ることなどないのである。
それに気付くと、日本は便利で気の利いた国だが、なんだか忙しくてせせこましいような気持ちになってくる。
かと言って、とてもインドで暮らす気にはならないが(笑)
こうして本を読む程度で、充分に楽しむ事ができる。
まずはインドで暮らすにあたって、部屋を借りなくてはならない。
しかし不動産屋を見つけるのに一苦労、店主に会うのに一苦労、返事をもらうのに一苦労、何をやるにも一筋縄ではいかないのだ。
やっと借りられた部屋は、後で知ったらしいが、使用人用の屋上の小屋であった。
真夏は40度にもなるこの国の、屋上の小屋。
著者は、冷やした飲み物を脇に挟んで寝たという。
波乱万丈のインド暮らし、最後まで楽しく読んだ。
ただ文章にクセがあり、そこはちょっと馴染めなかった。
そういえば、インドはまだ男尊女卑が根強く残る土地らしいが、それでも女性はとても大切にされているしい。
何の権利も自由もないが、面倒な事は男性が全部やってくれるのである。
・・・どこかで聞いたような話、と思ったら、バーレーン(笑)
近いのだろうか。
ぽ子のオススメ度 ★★★☆☆
「インド人の頭ん中」 冬野 花
中経の文庫 ¥571(税別)