自分の知らない世界を垣間見るのは、非常に興味深い事である。
自衛隊。
恐らくかなり閉鎖的であろうその組織について、私は大きな誤解をしてると思っていた。
いまだに軍隊のような生活を強いられ、辛い訓練に耐えてさえいれば高い給料がもらえる、そんな誤解である。
しかしこれを読んで、あながち外れてもいなかった事を知った。
著者はその理不尽な習慣や規則に反発しているからこそ、このような本を出したのだろう。
そういう意味では、今の日本にこんな世界があった事には驚いた。
しかしある程度想定の範囲内で、興味本位で読んだ立場としては刺激不足であった。
また、やたらとカタカナを多く使うのも違和感があり、読みづらかった。
「旧軍アガリ」「グンタイ」「センソウ」「シンペイ(新兵のことだ)」「キビシイ」「ナットク」「ヤメル」・・・、なぜそこカタカナ??
自衛隊の体制を批判しながらも実は隊内では優等生、なんていうのもしっくりこなかったが、まぁ、だからこそ見る事もできた内部の話もあるのだろうから、そこは仕方がない。
自分の階級が上がるにつれて、無駄な習慣を止めるように働きかけていったことは素晴らしいと思うが。
自衛隊の中を覗いてみたい、という程度なら楽しめるかも。
ただし結構古い本なので、今は変わってしまった部分もあるかも。
ぽ子のオススメ度 ★★☆☆☆
「逃げたいやめたい自衛隊」 根津進司
現代書館 ¥1545
表紙は変わったみたいです。