人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子54歳。

 

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伝説の配達人

もう1ヶ月にもなるか。

私はその世界から出ることができずに困っている。いや、困っていないのか。困ってないから困っているのだ。

ゲームというと、そのほとんどが戦いを楽しむものである。その形態は、RPG、シューティング、シミュレーションと様々ではあるが、パズル、スポーツ、音ゲーを除けばほぼバトルゲームだと言っていいだろう。

しかし私は今、配達をしている。そういうゲームなのだ。つまらなそうに思われるだろう。実際評価も二分している。

そんなゲームの序盤で、配達が面白くて先に進めなくなってしまったのである。

本来は、アメリカ全土に点在している拠点の通信を繋いで行く、という目的があった。それぞれ孤立しているので、荷物を届けがてら通信機能を開通させるのである。

これは「分断されたアメリカをひとつにする」という使命を持った、壮大なゲームだ。

一応敵も出る。そういう意味ではバトルもあるが、目的は敵の撲滅ではない。目的を達成するための手段だ。

私は常に、先を目指す。次の目的地を目指し、戦い、繋げなくてはならないのである。

ところがほんの序盤の配達が面白くなってしまい、先に進めなくなってしまった。

配達依頼は常にたくさん用意されている。また、他のプレイヤーの落とした荷物はエンドレスである。

どこかで見切りをつけて進まなくてはならないのだが、毎日毎日行ったり来たりして、ただただ配達しているのである。

時には他のプレイヤーのために橋を作ったり、看板を立てたりもする。

しかし、ゲームの主旨はそこではない。

先に進めばもっといい装備が手に入り、もっと色んなことが楽になるはずだ。

しかし先に進めばもっと強い敵が出て、もっと険しい道のりになるはずでもある。

そう思うと、ここでもうのんびりしていたい気持ちが勝ってしまうのである。

そんなこんなで一ヶ月。私は毎日荷物を運んでいた。

「おつかいゲー」などと言って酷評する人もいるが、私はおつかいが楽しくて仕方がない。

監督が聞いたら「おつかいゲーじゃねえ(怒)」と言うかもしれない。しかし現状、私にはおつかいゲーとなっている。

あぁ先に進みたくない。ここでずっと配達していたい。

主人公サムは、「伝説の配達人」と呼ばれている。このままではとんだ伝説だ。

大人にならなくては。一歩進まなくては。外の世界に出なくては。

そろそろ引きこもりを脱却したい。