人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

ラッキー、腎不全20

ブログ、相談サイト、まとめサイト、ネット上のあらゆる腎不全末期に関するサイトを読み漁り、容体についてはだいたい把握したつもりだ。

例外はあれど症状は、まず食べなくなる、飲まなくなる、歩けなくなる。

吐き気が止まらなくなるケースもあるようだが、この辺はまちまち。

体温が下がり、寒いところに行きたがる。

人間とは逆だが、暑い訳ではないらしい。

本能的に、エネルギーの消費を少しでも減らそうとしているのではないかと言われている。

最期には口で息をし、けいれん発作をおこし、ここまできたらもう時間ほとんど残されていない。

悪いなりに安定してはいたが、ゆっくりと確実に進行している。

「歩けない」の一歩手前だ。

ほとんど歩かないし、水を飲ませようと座らせてもヘチャッとつぶれてしまう。

グニャグニャのぬいぐるみのようだ。

こんな状態でもなぜか、風呂場にだけは行きたがる。

水が飲みたいのか、「寒いところに行きたがる」のか。

前者のように見えるが、もう自力ではいくらも飲めない状態だ。

それでもシリンジで飲ませられるのは嫌なようで、ひと口飲むとベッドの方へ行こうと向きを変える。

トイレにだけ、辛うじて歩いている。点滴が効いているように思う。

しかし回数は減った。1日2回ぐらい。

脱水すると本人が辛いというので、強制でも水を飲ませたいのだが、もうここで少しばかり無理をさせたところで何が変わるのだろうかという気持ちになってきた。

今は静かだ。大人しくただ横になっている。

それでもそれは、具合がいいという意味ではないように見える。

薄目を開け、何かにじっと耐えているようだ。

長い時間に感じているだろうか。

絶食、5日目。

羽根のように軽くなったラッキーを、壊れ物のように抱き上げる。

また一緒に寝ることにした。

動けない訳ではないが動かないので、念のため床ずれ防止に時々体位を変えてあげた。

心配で、寝た気がしない。

尿毒症独特のにおいを発しているが、それすら含めてラッキーが愛おしい。

あと何回、一緒に寝れるのだろう。