いつまでも布団でグズグズしているからか、私は夢を結構覚えている方だ。
というより、夢の世界が好きなので、目が覚めたら思い出すのが習慣になっているといった方がいいかもしれない。
不思議な世界だ。
その世界に自分が入り込んでいる不思議。
それが自分の感情に影響を及ぼすこともある。
夢に出てきた人は、多くの場合私にいい感情を新たに植え付ける。
あまり悪い夢を見ることがないからだろう。
夢の内容によって、ありえない人の好感度が上がったりするのだ。
逆に、怖い夢が必要以上に怖かったり悲しい夢が妙にリアルだったりもする。
こういうものは、目が覚めてもその感情がしばらく残る。
夢の中の私は私であって私ではないが、その「私ではない私」が入り込んだまま目が覚めるのである。
絶望的な朝であった。
父が死んだ夢を見た。
しかしなぜか、母は生きていた。
生きて、私と兄と一緒に父の骨を拾ったのだ。
骨壺に収まり、紺の風呂敷で包む。
誰も持とうとしないので、私が左の手で持った。
その時の、風呂敷の感触。あれは、母の骨壺を包んだ風呂敷だ。覚えている。あの手触り。
それを持って、3人で河川敷を歩く。
私は悲しくなった。
猛烈に、どうしようもない程、悲しくてたまらなくなった。
我慢できずに泣いた。
泣いたら余計に悲しくなり、もう大声を張り上げてワンワン泣いた。
気が狂いそうなくらい、悲しかった。どうにかなってしまいそうだった。
そこで目が覚めた。
胸に残る、恐ろしい程の悲しい感情。
父が死んだらこんな気持ちになるのだろうか。起きるなりそんなことを考える。想像すると、苦しくなる。
それだけじゃない。父も兄も先に死んでしまったら。
とてつもない孤独感が押し寄せて来る。恐普B
生きている限り、私は独りぼっちになるのだ。
絶望的だ。早く死にたい。
お母さん!
体を起こして、周りを見てEE:AEB30
抜けた。
夢の中の私が抜けた。
なんだったんだ、あの感情は。
私は夢に、スピリチュアルなものは感じない。
アトラクションのようなものである。
今朝はちょっと過激なアトラクションであった。こんな日もある。
さて、一日が始まる。
現実を生きるとしますか。