人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子56歳。

最期の地

今週のお題「最近洗ったもの」

 

最近も何も、そんなん「皿」に尽きる。皿洗いに始まり、皿洗いに終わると言ってもいい、それが主婦である。

などと言っては身も蓋もないので、いつも洗わないようなもの。

最近洗ったのは、枕だ。正確に言うと、枕だったもの。

 

それは、もう家を出た娘ぶー子が使っていた枕だった。

寝心地がいいだか悪いだかで、彼女は良く枕を買い替えた。それをそのまま残して出て行ったので、後にはたくさんの枕が残されたのだ。物を捨てられない性分なのでとっておいたが、枕など、ひとり1個あれば十分なのである。

まずはその時点で使っていた枕を処分し、ぶー子の枕を使うようにした。

それでも余ったものは、猫のベッドにしてしまったのだ。

どれも大きな枕だったので、猫が寝るには十分なサイズだった。

まぁつまり、出しっぱなしだ(笑)猫達は、勝手にそこで寝た。ベッドとしては、悪くなかったようである。

 

やがて、猫は歳を取る。

ご飯を食べなくなり、水も飲まなくなり、歩けなくなり、それでもそこで寝ていた。

そしてその枕から、あの世へと旅立って行ったのだ。

 

これが人間なら、「ラッキー最期の地」の碑など建てて観光名所にでもするのだろうが、ラッキー最期のベッドは残された猫達のベッドとしてまだ活躍している。

フカフカの枕なので冬用としており、しまうためにやっと洗ったのである。

なにしろ毛だらけだ。他のものと一緒に洗えない。ついつい後回しにして、ここまで来てしまった。

 

灼熱の夏、真っ盛り。枕はあっという間に乾いてくれた。

また来年。