木曜日。
魔の水曜日を乗り越え、平日(休前日除く)禁酒の目標は無事にクリアされようとしていた。
ここまで来てしまえば、あと一日の辛抱である。
ここで飲んで、金曜の酒を二日酔いで台無しにする必要もあるまい。
飲みたいなどとはこれっぽっちも頭をかすめることはなかった。
ダイエット中。
晩ご飯は、コブサラダと海老とアボカドのサラダ、トマトの冷製スープサルモレホ。
サルモレホにパンが混ぜ込んであるから、ご飯はナシ。
カ~~~~~ッ、なんてばヘルシーEE:AEB30
コブサラダのボリュームを上げよう。
こうして特大のボウルにたっぷりのレタス、トマト、茹で卵、アボカド、赤パプリカ、黄パプリカ、ミックスビーンズ、きゅうり、タマネギ、鶏胸肉が盛り付けられ、これが本日のメインであることを強調した。
これだけ食べても、所詮サラダだ。ダラダラとお腹いっぱい食べても罪がない。
ダラダラと。
・・・・・・・・・・・。
ダラダラと白ワインのつまみにしたら良くね~~~~EE:AEB2FEE:AEB64
ダラダラとつまんでも、罪がないのである。サラダでワイン、なんて清らかな晩酌。
一度この考えが浮かんでしまうと、もう酒の事で頭がいっぱいになる。
明日の酒の美味しさが半減してしまうが、その分今夜の楽しみは突然の思い付きだけあって2倍増しだ。
飲みたい、でも、あぁ決心したのに・・・。
この決定打はダンナに打たせるしかない。
そこで私はトラップを張った。
冷蔵庫に缶ビールを入れておいたのだ。珍しいヤツを、良く見えるように。
ワインもスパークリングワインも冷やしておいた。準備は万全。
翌日の二日酔いも想定して、朝ご飯の事も考えておいた。
果たして仕事から帰って冷蔵庫を開けたダンナは、「おっ・・・。やる気だねぇ。こりゃ風呂が先か?」と言った。
さすがダンナ、そこらの人よりもビールへのセンサーが敏感である。早い。面白いほど、予定通りだ。
ダンナが風呂から出てから海老とアボカドのサラダを出そうと思っていたのでダンナを待っていたのだが、どうも一向に風呂に入る気配がない。
どういうつもりなのか?
決定打はダンナがキメる。責任はダンナが負うのだ。私からは言い出せない。
とうとうやるべきことがなくなってしまい、ダンナの風呂待ちとなってしまった。
というか、ダンナは風呂に入る気があるのか?
「・・・・・で、やらないの??」負けたような気持でダンナに問う。
するとダンナは「え?だって明日金曜日だよ?」と涼しい顔をして返してきた。
まさかの「かからなかった」パターン!?
いや、飲みたいなら別にいいけど。
いやいや、だってもう明日金曜日だし。
もうどっちが飲もうとさせているんだかしているんだか、訳が分からなくなってきた。
どうやらダンナは、飲む気はない。
でも私が飲みたいなら飲んでもいい。そんな感じであった。
飲むなら私が決定打を打たなくてはならない。
後ろめたさはあったのだ。
今日飲み過ぎれば、明日はまた二日酔いでダルダルになるだろう。
そしてまたラーメンを食べてしまい、運動もサボる。
いいことなんて、ありゃしないのだ。分かっている。
だからこそ、ダンナに背中を押させたかったのである(笑)
「・・・・・我慢しようEE:AEB69明日のお酒が美味しくなるよ・・・。」
私は大人しく、海老とアボカドのサラダとスープを持って来て座った。
食べながら、ダンナが言った。
「今日飲んだら、また飲みっぱなしだよ??明日も飲むでしょ。明後日は打ち上げでしょ、その次の日がPの9周年でしょ、月曜日はぶー子と会って飲むじゃん。」
ハッ、そんな続くか、しかもよりによってスペシャルなのばっかりEE:AE5B1
これで良かったのだ。聞いただけで肝臓が疲れて来たわ。
「でも・・・、」ダンナは続けた。
「そんなに続くんだったら今日飲んで、明日二日酔いにして休肝した方が、続かなくていいのかな?」
ハッ、確かにその通りかもですよEE:AEB30
「じゃ、じゃ、」私が腰を上げかけると、「でももう、腹いっぱいEE:AE471」と言ってたたみ込まれてしまった。飲まんのかいEE:AE5B1
こうしてなんとか辛い木曜日をやり過ごすことができた。
さて、金曜日だ。
爆飲みウィークエンドの始まりである。