気にすると呼び込むので考えないようにしていたが、とうとう私のところにも来てしまった。
それは突然の事で、全く準備ができていなかったのである。
奇襲状態だ。卑怯者め。
しかし恐るるに足らず。
家には強い味方がいるのである。
私は会社で今年初めての攻撃を受けたが、家に帰るまでの辛抱であった。
ヤツらの好きにさせておく。
結果、上司グッティ氏用のボックスティッシュを空け、鼻の下を痛め、軽い言語障害を起こした。
しかし、家までの辛抱だ。
私は何も恐れてはいない。
むしろこのシーズンだけにしかできない、くしゃみの連射を楽しんでいた。
一応マスクは家からしていたが、それは花粉症対策というよりもむしろ、化粧の手抜きをするためであった。
先日テレビで「だてマスク」というものが流行っている話をしていたが、私もその流行に乗っていたのだ。
彼らがマスクをする理由は、顔を出したくない、スッピンを見られたくないなどであり、私と全く同じだったのである。
そもそもはニンニク臭を拡散させないためだったのだが、慣れるとこっちの方がいいのである。
というか、今となっては、マスクがないと不安な程だ。
そんな訳で私は遠慮なくくしゃみを放出して悦に入っていたが、調子に乗りすぎて、帰り道に寄った薬局でやっかいな事になってしまった。
たっぷり鼻水が充填されていたところに、瞬間的に大きな圧力がかかるのだ、そりゃそうなるだろう。
あまりにも遠慮なく出したために、マスク内部が水浸しになってしまったのだ。
私はこの薬局に、ティッシュを買いにきたのだ。レジを抜けなければそれは手に入らない。
ボックスティッシュの方はすぐに見つかったのだが、ポケットティッシュが見当たらない。
とにかくマスクの中がレイニーデイズ。
そ知らぬ顔で店員に聞いたが、アンタ、実はこの顔の下半分は、未曾有の大惨事よ。
レジを抜けるなりティッシュの袋を開け、店を出るなり鼻をかんだ。
シーズン到来だ。
家に帰ったら頼れるヤクを鼻にブチ込み、安心してそれが浸透していくのを待った。
「まぁでも、ブログのネタになるからいいじゃないッスか。」
上司グッティ氏は言ったが、
「花粉症になっただけじゃ、ネタにならないのヨー。」
そう答えたのはついさっきだ。
結局ネタにした。
他に何もないのである。
平和な一日であった。