我慢できないほど眠くなるまで夜更かしし、昼まで寝ていた。
ギターのレッスンから戻ったダンナに「いつまで寝てるの!!」と起こされたのだが、あなたが置いていった猫さんが布団に入って寝ちゃったから、起きるに起きれなかったのだよ、毎週の事だが。
とにかく腹が減った、と朝から活動していたダンナが言うので、まずはラーメンで腹ごしらえだ。
駐車場がないので近くのスーパーに車を停めてしまったが、罪滅ぼしに帰りに買い物をする。
私は吸い寄せられるように花の売り場に直行したが、ダンナは「もう止めてくれ~~!」と逃げるように店内に入っていった。
安いんだからいいじゃないか、と言ってこの頃とみに増殖しているのだが、安いんだからいいじゃないか(笑)
総額を計算しなければいいだけの話だ。
・・・という事で3つ買ったが、ひとつは100円の花だ。
もうところどころ枯れてもう終わりそうなものだったが、100円だし花が可愛かったので買うことにしたのだ。
花屋のレジに行くと「ああこれ、もうこんなになっちゃって終わりそうな花だから、もうひとつお付けしますよ。」と言ってくれてドヒャー!!EE:AEB86となった。
100円の枯れかかった花ひとつでドヒャーのぽ子である。日常は幸せに溢れている。
「これは他にも青いのとかたくさんあったんですけど、綺麗な色のはどんどん先に売れていっちゃって、それがこの寒さで残ったのはこんな風に元気がなくなっちゃってね・・・。暖かくなってパーッと咲くと本当にきれいなんですけど・・・。いい花なんですよ。」
店員の女性は、可哀相に枯れかかった花との別れを惜しむように、袋に入れていった。
器量が悪いが可愛がっていた子を手放す親の気持ちのようである。
その子を選んだ私を信じてくれているはずだ。
ヤバい、大切にするぞ。塩は撒かない。
「ついでに帰りに、オートバックスとハードオフとドイトに寄りたい。」とダンナは言った。
まずはタイヤカバーを買いにオートバックスに行ったが、「ぽ子は待ってたら?」「待ってた方がいい。」と言うダンナの読みを裏切らず、私はまたここでCDを買ってしまった。
一応ここはカ-用品屋なのだが、広い店内にはCDや雑貨の売り場もあるのだ。
CDは少ししか売ってないが、ドライブ向けのオムニバスや話題の新作が多く、試聴もできるので私はすぐにひっかかる。
聴いたら終わりなのだ。
こうしてオートバックスは私にとってのCD屋と化している。
次はリサイクルショップのハードオフだ。
ダンナは、モンハンで痛めつけたコントローラーの調子が悪いと言っていた。
買うが良い。
狩り中に「だー!!」「もう!!」と言っていると、それがコントローラーのせいなのかダンナの未熟な技術のせいなのか、判断ができない。
もうコントローラーのせいにできないようになるが良い。
そして実はそこのハードオフには、フェンダーのジャズベースを売っていたらしいのだ。
いやいや、浮気はしないが、なんせ2万円だというので、ちょっと拝んでみたくなったのだ。
普通なら中古だったら、日本製で5、6万はかかるものである。
USAなら10万は下らない。
ハードオフに入ると私は、楽器売り場に直行した。
ギターやベースは所狭しと並べられていたが、かのジャズベは奥のジャンク品のコーナーにあった。
そして、聞いてはいたが、それを見て私は絶句した。
ズタボロである。
2ヶ所、広い範囲にわたり塗装が剥げて木がむき出しになっている。
ぶつけたようなキズが無数に入り、ツマミは全部取れている。
「音は出ました」と書いてあるが、こんなん、音が出なかったら不気味な呪いのベースである。
持ち主は死んでいる、そう思わせるようなやられようだ。
ジャズベはまた、ゆっくりお金を貯めてから買うことにする、そう決めた。
次のドイトでも、駐車場に車を停めると「ぽ子は待ってた方がいい。」と繰り返した。
そこでもダンナの期待を破らず、9鉢の花を買って帰った。
繰り返すが、安いのだ。私は安い花しか買わない。
一応200円以下のものしか買わないように心がけているのだが、ちゃんとそれも守った。
春である。
花の季節がやってきたのだ。
これらの花のお陰で、私の精神状態が正常に保たれているかもしれないじゃないか。
なぜダンナはあんなにガッカリした顔をするのだろう。
家に帰ったら、ソファに座ったまま寝てしまった。
1時間も寝ると、今度はしゃぶしゃぶを食べに行った。
もう次の給料日まで数千円しか残ってないが、それは言わなかった。
果たして乗り切れるだろうか。