人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

弱い者を大切にする事

「昨日はゴメンナサイ・・・。」

私を起こしに来たダンナは、まずそう言った。

昨日?

昨日、昨日・・・。

あぁ、もしかして。

「いや、いいよ、面白かった(笑)」

実際、滅多にない事で私はその状態を楽しんだと言ってもいい。

昨日はカラオケに行って昼間っから散々飲んだが、昨日はダンナが酔いつぶれたのだ。

私はいい加減迷惑を掛けないようにしたかったのでビール一筋で飲んでいたのだが、ワインを飲み続けたダンナがやられてしまったのだ。

私は酔っ払いには優しいっすよ。

なぜなら私がいつも酔っ払いで、優しくされたかった経験が積み重なっているからだ。

私は「自分だったらこうして欲しいだろう」というその全てを出し切った。

転職を迷っているぽ子だが、こうなるとますます介護の方に傾いていくのであった。

昼にラーメンを食べて帰ると、やはり眠くなるぽ子である。

娘ぶー子はゲームをやっていたが、リビングダイニングとキッチンがきれいに片付いていた。

「やる事、やったから。」

ぶー子は目線をゲーム画面から動かしもせず、「だから文句を言うな」というオーラをだしながら一心不乱にコントローラーを操作していた。

まぁいいや、私も眠いし。

そのままソファで座ったまま寝てしまったが、ダンナがぶー子のゲームの相手を買って出てくれた。

「三国無双」である。

目下我が家では静かな無双ブームとなっているが、主にぶー子が「三国無双」、私が「ガンダム無双」、人のいいダンナは呼び出されるがままに2人用プレイで私達に引っ張り出されている。

どっちのゲームも同じようなもののキャラクターが違うだけというもので、やろうと思えば私だって三国無双はできる。

実際何度かやったが本命はガンダムなのだ。

なぜかと言われても理由はないが、ガンダムを始めたからには浮気をしたくなかったのだ。

微妙な操作の違いやなんかが、40歳には辛いのだ。

セカンドに慣れてしまうのが怖い。

どれ程寝ていただろうか。

気がついたらまだ二人はゲームをやっていた。

ぶー子は「もう一度」「次は?」と容赦ないが、私にはダンナが疲れているのがわかる。

「んじゃ、次は私がやるよ。」

そう言ってダンナからコントローラーを受け取り、3人で正面のモニターに向かった。

「これだよ、これ(泣)私の理想の家族像はこれだよ!!家族で揃って三国無双(泣)」

ぶー子が泣き笑いだ。

アンタの理想って・・・。

しかし、「違う!!」「右だっつの、右!!」「みぎ!!」「みぎ(怒)」

おっかね~っす、若者ゲーマー。

40歳は18歳のようには動けないし覚えられない。

増してや飲んでいるのだ。

もっと愛情を持って丁寧に接して欲しいものだ。

こうして介護職がますます近づいて来るのである。