「もう我々ぐらいの歳になると、そうぐっすり眠れなくなるものですよ。」
睡眠障害で通っているクリニックの先生は、いつもそう言う。
それを言っちゃ、おしまいじゃないか。これ以上は無理、という意味であり、その原因はこっち側にあると言っているようなものだ。
「我々ぐらいの歳」になる前から睡眠に問題を抱え、もう私は自然にグッスリ眠ることはできないのかと暗澹たる気持ちである。あんたの力量不足じゃないのか、と文句のひとつも言いたくなる。
昨夜も、起きるまでに何度も目が覚めた。
薬を変えてから寝つきは良くなったものの、中途覚醒が増えてしまったのだ。
それでも薬のお陰か、またすぐ眠れるので以前に比べれば全然マシではある。だから現状でも我慢しているのだ。
目が覚める度に体が熱くなるので、窓は開けっぱなしだ。今ぐらいの季節は、冷気が心地良い。
しかし目覚ましが鳴ってから起きるには、寒すぎる。アラームの後に窓を閉めてエアコンを入れる。バカみたいだ。
これは更年期障害か何かじゃないかと思ってはいるが、漢方も功を奏さず、お手上げ状態である。
私は、自分が父に言った言葉を思い出した。「抗わないで受け入れた方が楽」。
物覚えが悪くなった、思うように動けない、と愚痴る父に言った言葉だ。
年齢による変化なんて、どうしようもないことなのだ。受け入れてその変化に合わせていった方が、なんぼも合理的ではないか。
あぁそうか。私も歳を取ったということか。
仕方がない、体はこういうものなのだ。新たなバージョンについていかなくては。
悔しくもあるが、少し気は楽になった。
と同時に、受け入れた方が楽などと簡単に言うべきではないと気づかされたのだ。
これからも「変化」は起こるだろう。
どこかに手をつかないと立ち上がれなくなったのも、一時的なことだと思っていたが、もしや・・・・・。
トホホ・・・・・。