人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

新版・路傍の石 / 山本有三

なんとこの小説、途中で終わってるのねEE:AE5B1

古いものだが、何度も国や軍の干渉があり、執筆を諦めてしまったらしい。

先が気になるじゃないか、おーい!

家庭を顧みない父親と、身を粉にして働く母親のもとで育った吾一は、賢く真面目な少年だったが、父親の横暴で進学を諦めなくてはならなかった。

奉公に出され、悔しい思いで毎日過ごしていた吾一には、手を差し伸べてくれる大人もいた。

励まされながら、人生は自分で切り拓くしかないと悟る吾一。

しかし、行く先々で待ち受ける困難。誘惑。

「独立自尊」を掲げ、苦境に立ち向かう吾一に、安定した日々は訪れるのだろうか。

もうね、ほんっと不幸っす、吾一。

心無い人間に揉まれながらも、まっすぐに生きようとする吾一が清々しい。

努力は必ず報われる、と思いたくなるが、ここまで強くなれる人間はそうそういないだろう。

しかし小説だ。

映画のヒーローを観ているような気持ちの良さがあった。

ところでこれは昔読んだ本だったが、読み返したくて買ったのである。

しかし私が読みたかったのは「真実一路」の方であった(笑)

そちらは覚えてたらまた。

ぽ子のオススメ度 ★★★★☆

「新版・路傍の石」 山本有三

新潮文庫

  

あれ??今は「新版」ってつかないのかな??