人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子53歳。

 

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ロスタイム

「ロスタイムライフ」というドラマがあった。

死ぬ間際に、自分が無駄に過ごした時間を「ロスタイム」として与えられるのである。

そこで主人公は、やり残したことをやり遂げるチャンスを与えられるのだ。

病に伏せるラッキーを見ていて、思い出した。

2度の死線を乗り越え、今また3度目の、恐らく最後になるだろう危機に向かっているところである。

諦めていたら、とっくに死んでいただろう。あれから今日までの日は、プレゼントである。ドラマで言えば、ロスタイムだ。

あの時死んでいたら、私には大きな悔いが残されていたはずだ。

こうして最後に全力を尽くすことができ、感謝したい。

しかし、その後に待ち受ける別れが、恐ろしい。

5月に母を亡くしているが、不思議なことに今は、全くと言っていいほど悲しくはない。

そもそもそんなに悲しんだ頃があったのかと思う程だが、辛かった時は確かにあった。

これを「乗り越えた」というのだろうか。

ならばラッキーの死も、乗り越えていけるだろう。

母の入院は、10日間だった。

もともと悪かった容体はどんどん悪くなっていき、「ひとりで苦しませたくない」、「ひとりで逝かせたくない」という思いから、家族3人24時間体制で付き添っていた。

目を離すと呼吸器を外してしまうので、ずっと手を握っていた。

簡単なことではなかった。

異変があれば看護師さんを呼び、母の要求にできるだけ応え、少しでも安らかであるよう母の好きだった曲を聞かせ、懐かしい話をし、こうして母のロスタイムを消化していったのだ。

3人では足りなかった。みんなクタクタだった。

特に兄は仕事と病院で一日が終わるような状態で、まともに休んでいなかったはずだ。

誰かが休めば、誰かに無理がいく。

一度、深夜2時に兄と交代したことがあったが、寝不足よりも7階の病室に入るまでの恐怖がキツかった(笑)

このままじゃ、もたない。誰か人を雇うか、少しの間ぐらい病院任せにするか。

そんな話も出たが、結局3人でやり切った。というか、母の方がもたなかった。

大変だったけど、あの時間があったから、今こうして前を向いていられるのかもしれない。

精一杯ラッキーに尽くして精一杯悲しんだら、自然と忘れてしまうだろう。

きっと、いい思い出だけを残して。

別れは怖いけど、乗り越えられると信じている。