人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子56歳。

母の誕生日

「だんだんお母さんの酔ってる時と飲んでない時の違いがなくなってきた・・・。」

と娘ぶー子が言った。

どういうこっちゃ。

今日は母の誕生日を祝うため、母とウチら家族、私の兄とで食事に行く予定であった。

しかしやはり二日酔いである。

私は今やもうほとんど着ることのないワンピを着たまま寝ていたが、パンツ丸出しで脇のファスナーは開き、右肩の部分は脱げかかっていた。

うー・・・。

食事は「サンマルク」である。焼きたてパンの食い放題だ。

二日酔いにパン。

二日酔いにパンの食い放題(泣)

ギリギリまで寝ている。

急いで支度をして実家に迎えに行くと、兄がまず出てきた。

もう年に1回、会うか会わないかになってしまった兄は、結婚はしていないが、今は家を出て東長崎に住んでいる。

久しぶりに見たその顔は、なぜか二重でくたびれていた。

「昨日飲みすぎてね・・・。」

ブブッ、アンタもか。

「それで帰りに転んだらしくてね・・・。」

右腕のかなり広い範囲に擦り傷ができていた。

「・・・さすが、兄弟・・・。」ダンナがつぶやいた。

「まったくお母さんそのまんまじゃん。」ぶー子が言った。

さすが兄弟、わたしそのまんまじゃん、私は思った。

二日酔いで喉が渇き、レストランでは私と兄の水ばかりが減っていく。

コース料理はゆっくり出てきてパンのおかわりばかりが出てくるので、メインの前にお腹がいっぱいになってしまった。

店を出る頃には「苦しい」「眠い」と皆口々に言い、別れて家に着くと寝る事にした。

「寝る?」とダンナに聞くと、「まだ寝ない。」と言う。

「何するの?」と聞くと、「とりあえずは横になろうと思う。」と言った。

同じじゃないのか?

「じゃ、録画したビデオでも観ながら横になる?」と聞くと、「うん、そうしよう。」と言った。

「ビデオを観ながら横になる」と言うのは「寝る」というのと同義語だ。

じゃあビデオ観ながら寝るか。

あっという間にソファで寝ていた。

起きたらラーメン食べに行ってもう寝る時間だ。

お母さん、お誕生日おめでとう。

あなたの娘は元気です。

お母さんもたくさん寝て元気でね。