人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

ラッキー、腎不全14

残された食欲との戦いだ。

食欲増進剤を飲ませても、もう自分から食べたがることはなくなってしまった。

食べさせれば食べていたが、その幅も徐々に狭くなってきている。

最初に食べていたササミを食べなくなると、シーバのとろみおやつをかけた。

それも食べなくなり、以前食べていた普通のご飯を食べさせたらそれを食べる。

しかしどれも2回続けて食べると、次はダメだ。

単なる飽きかと、今度はレトルトパックの「焼かつお」を出す。好物だ。これも喜んで食べた。

しかし2回だけだ。

この食事を最後に、もう全く食べなくなっている。

昼になったらサンマを焼いてやろうと思うが、これがダメならもう出せるものがない。

そうなったらもう廃絶と考え、強制給餌をするかどうかになる。

水も飲まなくなってきた。

水飲み場まで連れて行くと飲むには飲むが、その量が減っている。

トイレには、ヨロヨロながら自力で行く。それ以外は、ただひたすら寝ている。

ただ、夕食時に膝に乗ろうとトコトコと歩いて来たのだ。

甘えん坊の習慣であった。

ソファに向かってジャンプ。

ずり落ちそうになったが、まだ昨夜はこんな元気もあった。

静かだ。

苦しそうには見えない。

しかし本人はどうなのか、知ることはできない。

ここへ無理して給餌するべきなのか。点滴をするべきなのか。

ラッキーは今、自然の摂理として死に向かっている。

この状態を強制給餌や点滴で長引かせるのはどうかと思う反面、苦痛があるなら楽にしてあげたい。

点滴は、脱水を緩和するから体が楽になるという。

とは言っても、いつかはこの状態になるのだ。

その時、楽なのはどっちなのか。

点滴の是非が、分からない。

単なる時間稼ぎになってしまうんじゃないか。

このままそっと逝かせたい気持ちに傾いている。

それもまだ、大人しく寝ているこの状態だから言えることなのかもしれない。このまま終わるとは思えない。

病院のストレスを考えると、決断までの残り時間はもうあまりなさそうである。

サンマを食べなかったら、今日だけ強制給餌をしよう。

明日までに心を決めて、恐らく最後になる診察へ行こう。