負けた・・・・・。
私の新年はこの月曜日、つまりおととい始まったと考えているが、早速負けてしまった。
・・・睡魔に。
言い訳がましくなるが、ついに薬が切れたのである。寝る前の安定剤が、おととい、月曜日の夜で。
病院の予約は今日の午前中、つまり、昨日の夜だけしのげれば、また薬による安眠生活は保障されるのである。
一日。
たったの一日だけである。
仮に眠れなかったとしても、困るのは一日だけである。
しかしそんな事が分かっていたところで、ひとたびあの地獄の状態に陥れば、そんなものは何の慰めにも励みにもならない。
私達はその時その時を生きているのである。
「その時」の苦痛から逃れたいのが人情である。
とりあえず薬がどこかに紛れ込んだりしていないか、ありそうな場所を探してみたがなかった。
15年前の同じ薬が出てきたが、これはさすがに怖い。
薬入れの中から、娘ぶー子が買ったと思われる「カンポウ専科・ストレス、イライラする方の不眠、不安に」と書かれた薬を見つけたので、おまじない程度にこれを飲んで布団に入る。
別にストレスもイライラもしてねーし、つーか眠れないからイライラするんだし、順番逆じゃないか。
しかしこんなんでも、おまじないにはなる。
丸腰ではないという、ギリギリの思い込み。
眠るには、精神の安定が必要なのである。
大丈夫。
眠れる。
「これがあるから」眠れる、というおまじない。
そもそも病院の薬も、まじない程度なのかもしれない。
もしかしたら私はもう、自分で眠る力を取り戻しているかもしれない。
それを証明してみせる。
く~~、ヤバい、緊張するEE:AEB64
いつもと同じように、夜を過ごすのだ。
布団に入り、枕にクッションを重ね、背中を起こして本を読む。
今読んでいる「罪と罰」は、小さい文字でビッシリ、一応小説だが、哲学的な側面を持っているので結構読むのに疲れるのだ。
恐ろしく古い本で、時々聞いた事もないような言葉が出てくる。
携帯の辞書を開いておくが、昨日調べた言葉は「手風琴」、なんとアコーディオンのことであった。
こんな本なので、すぐに眠くなる。
いつも通りだ。
このまま自然に寝てしまえ。
薬を飲んでないことなんか、忘れる。
いや、さっき飲んだ、カンポウとかいうすっごい効きそうなヤツを!!
スゥーッと、いつものように睡魔に引き込まれていく。
ああ、このままいけそう、おやすみなさい、今年は何でもできそうな気がする・・・・・。
ちくしょー、相棒を間違えたEE:AE5B1
昨日に限って添い寝のパートナーは黒猫大五郎だったのだが、これが失敗だった。
ダイはすぐに布団の中に入ってすぐに爆睡、といういつものコースだったのだが、寝苦しいのかちょいちょい動くのである。
一度これに起こされると、次がくるんじゃないかと身構えてしまう。
そしてその「次」は来てしまう。
するとますます「次」への不安が高まるのである。
ボッと体が熱くなるのが、覚醒の合図だ。こうなったら諦めた方が早い。
「明日になったら寝てやる」と呪詛の言葉を唱えるが、明日、って、午前中病院やんEE:AE5B1
いつ寝たらいいんだ、もう寝たら起きるのはイヤだぜまったくEE:AEB64
病院なんて、病院なんて、・・・行かないとまた同じ夜になってしまう。
あいつら、あいつら・・・・・・。
気がついたら寝ていた。
ダンナが着替えに入ってくるまで気がつかずに寝ていたが、つい習慣で「ハッ、昨日は寝れたか??」と振り返る。
負けだ、か~~、もう今日はやる気ないEE:AE4E5
・・・今年はこういう思考をやめようと決心したばかりなのだが、結局私は自分に負けたのである。
ダンナを見送ると布団に戻り、1時間ほど寝た。
病院から戻ってご飯を食べるとどうしようもなく眠くなり、また寝てしまった。
終わった。
今年最初のクズ日であった。