人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

ゲタ欲す、激しく欲す

ホワイトデーなので、ダンナがホテルニューオータニのバイキングに連れて行ってくれたのだ。

こんな事は異例のことで、正直凄く驚いた。

私はもうすぐ捨てられてしまうのだろうか。

フロアがゆっくり回転しているので、外の景色がゆっくりと変わっていく。

約1時間で1周するそうだ。

料理も美味しいし、本当に幸せだ。

私はもうすぐ殺されるのだろうか。

お腹いっぱい食べてやはり眠くなり足取りは重くなったが、実は行きたい場所があった。

御茶ノ水である。

最近の記事を見ていてピンときた人は、きっとピックをいくつもお持ちの方と思われる。

リッケン620頂戴~♪ 19万も持って居ない 御茶の水~~♪♪

林檎さんが欲しかったのはギターのようだが、私たちが求めていたのはリッケン4001、ベースである。

欲しい、と言ってもおいそれと買えるものではないので、情報収集のためであった。

欲しい欲しいと騒いではいるが、実は私にはリッケンベースについての知識は全くないと言っていい。

危険な買い物をしたくもなかったので、そう言った部分での情報も欲しかった。

大して弾けもしないくせに、なぜそんなにリッケンベースが欲しくなったのかと言うと、音色である。

以前からリッケンベースの音は好きだったが、自分が弾くようになったらどうしても欲しくなった。

うまく表現できないが、私はその音色を「ゲタ」と呼んでいる。

カランコロン鳴る訳ではない。

ゲタという音に似ている気がするのだ。

私はこのところ毎晩ベースの練習に勤しんでいたが、その曲はまさにリッケンベースを使用している曲であった。

耳に入ってくるゲタサウンドに重なる(重なる事は稀だが・笑)柔らかいボーンという自分の音色が、そのうち酷くもどかしくなってきた。

ああ、ゲタ鳴らしたい!!

なぜそんなにまろやかなのだ、アリアプロ。

という訳で昨日ダンナを丸め込んで、買う方向にまで持っていったのである。

で、早速情報収集を、となった運びである。

お茶の水は楽器屋天国である。

10軒近く回ったんじゃないかと思うが、頑張った甲斐があってとても勉強になった。

まず、リッケンベースだからと言ってあのゲタサウンドが出るとは限らないと言う事。

危ないところだった、値段と見た目で即決しかねないバカぽ子である。

ゲタじゃないリッケンなんて、アリアプロ以下である。

そして私の求めるゲタリッケンは4001というシリーズであり、それはもう生産していない物だと分かった。

そもそもリッケンベースは数が少なかったが、4001のシリーズは全部で4本しか見つけられなかった。

2本はまんまビンテージものだが、そのうちひとつはゲタじゃないリッケン(古いリッケンはややこしらしいのだ)、もう1本は高かったので論外。

復刻版の4001が2本あったが、1本はなんと、角が削ってあった。

ポール・マッカトニーのベースを真似たようだが、そこだけ削れており、見る人が見たら台無しである。

台無しなのでこれも却下。ただしちょっと安かったが。

最後の1本は、ダンナの希望していた赤だった。

中古なので使用感があり、塗装がところどころヒビ割れている。

まぁ安いものじゃないし、今回は情報収集なのだ。

欲しい型番は分かった。

最後の1本に惹かれはしたが、まだ考える猶予はある。

そしてその次に入った最後の1軒には、リッケンはなかった。

なかったが、実は調整中で出していないだけだと言う。

「4001のVが欲しい」と言うと、スタッフの若いお兄さんは、「あ~~、4001ね・・・。」と苦い顔をした。

残念ながら調整中の物の中にはなかったらしいが、とにかくリッケンベースはもともと数が少ない上に、もう生産してないシリーズで、ぶっちゃけ見つけたら買い、ぐらいの気持ちでもいいモノですよ、と彼は言った。

見つけたら買い、彼は繰り返した。

見つけたら、買い。

このお兄さんは詳しいようで親切に色々教えてくれたが、「この間も調整中でまだ店に出してないヤツを、どうしても欲しいって、立て続けに売れたんですよ。」「少ないのに人気が高くて、多分この辺のお店にもあんまり出てないと思いますよ。」「あるかどうかは、もうタイミングですね。」「値段もどんどん上がってますし・・・。」

ああもう親切いいからシャラップ、早くこの店から出してくれ!!

「じゃあまた来ます。タイミング良くあるといいですね。」と強引に話をまとめて、店を飛び出した。

カチャタヨ~~~EE:AEB86EE:AEB86EE:AEB86

隣のデブチンはダンナのリッケンギターだ。

あぁ、リッケン天国・・・EE:AEB64

ところで楽器屋めぐりをしている間に、今度はダンナが凄いものを見つけてしまった。

リッケンベースの形をしたリッケンギターである。

#480という、これまたとっくに生産されなくなったものらしい。

奇遇にも買ったベースと同じ値段であった。

ダンナは相当悩んでいたが、「もうちょっと考えます」と言って店を後にした。

買えばいいのに、もう次はないかもしれないよ。

あ、マリー・アントワネットのような無邪気な発言EE:AEAC5

重い重いベースを持って家路に向かったが、途中で娘ぶー子のバイト先を通る。

夕方から働いている彼女に向かって、衝動買いしたベースを掲げて見せびらかす親。

結局彼女は気付きもしなかったが、家に帰ってきて青ざめて「そ、そんなもの買って倒産とかしないの!?」と本気で慌てていた。後から「自己破産」と言い直したが、そんな買い物するかいなEE:AE4E6

どんだけバカ親だと思われてるんだと。

ところで、早速先ほどリッケンで「ホワマイ(アホ臭い省略については今さら突っ込まないように)」を弾いてみた。

涙が出るほどゲタだった。

そして、涙が出るほど下手くそであった。