ホワイトデーなので、ダンナがホテルニューオータニのバイキングに連れて行ってくれたのだ。
こんな事は異例のことで、正直凄く驚いた。
私はもうすぐ捨てられてしまうのだろうか。
フロアがゆっくり回転しているので、外の景色がゆっくりと変わっていく。
約1時間で1周するそうだ。
料理も美味しいし、本当に幸せだ。
私はもうすぐ殺されるのだろうか。
お腹いっぱい食べてやはり眠くなり足取りは重くなったが、実は行きたい場所があった。
御茶ノ水である。
最近の記事を見ていてピンときた人は、きっとピックをいくつもお持ちの方と思われる。
リッケン620頂戴~♪ 19万も持って居ない 御茶の水~~♪♪
林檎さんが欲しかったのはギターのようだが、私たちが求めていたのはリッケン4001、ベースである。
欲しい、と言ってもおいそれと買えるものではないので、情報収集のためであった。
欲しい欲しいと騒いではいるが、実は私にはリッケンベースについての知識は全くないと言っていい。
危険な買い物をしたくもなかったので、そう言った部分での情報も欲しかった。
大して弾けもしないくせに、なぜそんなにリッケンベースが欲しくなったのかと言うと、音色である。
以前からリッケンベースの音は好きだったが、自分が弾くようになったらどうしても欲しくなった。
うまく表現できないが、私はその音色を「ゲタ」と呼んでいる。
カランコロン鳴る訳ではない。
ゲタという音に似ている気がするのだ。
私はこのところ毎晩ベースの練習に勤しんでいたが、その曲はまさにリッケンベースを使用している曲であった。
耳に入ってくるゲタサウンドに重なる(重なる事は稀だが・笑)柔らかいボーンという自分の音色が、そのうち酷くもどかしくなってきた。
ああ、ゲタ鳴らしたい!!
なぜそんなにまろやかなのだ、アリアプロ。
という訳で昨日ダンナを丸め込んで、買う方向にまで持っていったのである。
で、早速情報収集を、となった運びである。
お茶の水は楽器屋天国である。
10軒近く回ったんじゃないかと思うが、頑張った甲斐があってとても勉強になった。
まず、リッケンベースだからと言ってあのゲタサウンドが出るとは限らないと言う事。
危ないところだった、値段と見た目で即決しかねないバカぽ子である。
ゲタじゃないリッケンなんて、アリアプロ以下である。
そして私の求めるゲタリッケンは4001というシリーズであり、それはもう生産していない物だと分かった。
そもそもリッケンベースは数が少なかったが、4001のシリーズは全部で4本しか見つけられなかった。
2本はまんまビンテージものだが、そのうちひとつはゲタじゃないリッケン(古いリッケンはややこしらしいのだ)、もう1本は高かったので論外。
復刻版の4001が2本あったが、1本はなんと、角が削ってあった。
ポール・マッカトニーのベースを真似たようだが、そこだけ削れており、見る人が見たら台無しである。
台無しなのでこれも却下。ただしちょっと安かったが。
最後の1本は、ダンナの希望していた赤だった。
中古なので使用感があり、塗装がところどころヒビ割れている。
まぁ安いものじゃないし、今回は情報収集なのだ。
欲しい型番は分かった。
最後の1本に惹かれはしたが、まだ考える猶予はある。
そしてその次に入った最後の1軒には、リッケンはなかった。
なかったが、実は調整中で出していないだけだと言う。
「4001のVが欲しい」と言うと、スタッフの若いお兄さんは、「あ~~、4001ね・・・。」と苦い顔をした。
残念ながら調整中の物の中にはなかったらしいが、とにかくリッケンベースはもともと数が少ない上に、もう生産してないシリーズで、ぶっちゃけ見つけたら買い、ぐらいの気持ちでもいいモノですよ、と彼は言った。
見つけたら買い、彼は繰り返した。
見つけたら、買い。
このお兄さんは詳しいようで親切に色々教えてくれたが、「この間も調整中でまだ店に出してないヤツを、どうしても欲しいって、立て続けに売れたんですよ。」「少ないのに人気が高くて、多分この辺のお店にもあんまり出てないと思いますよ。」「あるかどうかは、もうタイミングですね。」「値段もどんどん上がってますし・・・。」
ああもう親切いいからシャラップ、早くこの店から出してくれ!!
「じゃあまた来ます。タイミング良くあるといいですね。」と強引に話をまとめて、店を飛び出した。
カチャタヨ~~~EE:AEB86EE:AEB86EE:AEB86
隣のデブチンはダンナのリッケンギターだ。
あぁ、リッケン天国・・・EE:AEB64
ところで楽器屋めぐりをしている間に、今度はダンナが凄いものを見つけてしまった。
リッケンベースの形をしたリッケンギターである。
#480という、これまたとっくに生産されなくなったものらしい。
奇遇にも買ったベースと同じ値段であった。
ダンナは相当悩んでいたが、「もうちょっと考えます」と言って店を後にした。
買えばいいのに、もう次はないかもしれないよ。
あ、マリー・アントワネットのような無邪気な発言EE:AEAC5
重い重いベースを持って家路に向かったが、途中で娘ぶー子のバイト先を通る。
夕方から働いている彼女に向かって、衝動買いしたベースを掲げて見せびらかす親。
結局彼女は気付きもしなかったが、家に帰ってきて青ざめて「そ、そんなもの買って倒産とかしないの!?」と本気で慌てていた。後から「自己破産」と言い直したが、そんな買い物するかいなEE:AE4E6
どんだけバカ親だと思われてるんだと。
ところで、早速先ほどリッケンで「ホワマイ(アホ臭い省略については今さら突っ込まないように)」を弾いてみた。
涙が出るほどゲタだった。
そして、涙が出るほど下手くそであった。