また始まってしまった。
原因は相変わらず分からないが、きっかけは明らかであった。
その日私は、いつものようにエルを連れて二度寝をしていた。
もう陽は昇っていたが、布団をかけて。
私はフルシーズン、この羽毛布団を放さないのである。
そろそろ起きようと体をゆっくり起こすと、エルが布団に埋もれるように寝ていた。
暑いのか、お腹を上にしている。
う~~~EE:AE478
たまらんっ。
私はお腹をそっと撫でてみた。
そもそもあまり体を撫で回されたりするのは嫌いな仔である。
お腹なんて触ろうものならすぐに起きてしまうのは分かっていたが、我慢できなかった。
なでこ、なでこ。
ところがエルは気持ち良さそうにグーンとそのまま伸びた。
なので今度は調子こいて、お腹をさするように揉んでみた。
すると何とエルは、ゴロゴロ言い出したのだ。
何と、お腹さすって喜ぶのも珍しいが、ゴロゴロも珍しい。
嬉しくなってしばらく揉んでいたが、いつまでもこうしてはいられない。
そっと手を戻そうとすると、弾かれたようにエルが飛び起きた。
それからである。
鳴きっぱなし。
半端ではない、本当に鳴きっぱなしなのである。
実は以前にも、このような事はあった。
性格まで豹変してしまい、本当に困ったものだが、数ヶ月で何となく元に戻っていた。
その代わり、舐めて作ったハゲがいくつもできてしまった。
病院へも行った。
皮膚病ではない、精神的なものか、ホルモンバランスの崩れか、というような話であったが、結論は出なかった。
薬漬けにするのが嫌で、中途半端なまま病院を止めてしまったのだ。
今回で3回目だが、ハッキリ分かった事もある。
そばにいて欲しいのだ。
それが不安からなのか、なぜなのかは分からないが、隣に座るか一緒に寝るかすれば大人しく寝る。
エルが鳴くのは「手」である。
なぜか私の手だけなのだが、この手を見ると激しく鳴くのだ。
手をよこせ、と引っ掻き、そしてくわえて引っ張っていくのだ。
キャットタワーの下の小さな個室へ(無理だ。)、布団の方へ、寝室の方へ。
その鳴き方が尋常じゃない。
3日間飲まず食わずだった野生動物が、まるで私の手の中に肉の塊を発見した如く。
辛い。
ぽ子は本当に辛い。
なのでそばに座ると、今度は怒涛のように自分の体を舐めまくるのだ。
フッフフッフと鼻息も荒く、何かに憑かれたように舐めまくる。
またハゲるのは時間の問題である。
そしてまた、ペットボトルとポケットティッシュである。
普段は全然関心を示さないのに、急にこれらをくわえて走り回るようになるのだ。
昨日は500mlのペットボトルをくわえて10センチほど開いた隙間を走りぬけようとして、引っかかって落としていた。
解決するには病院しかないが、そうするとまた避妊手術の問題が出てくるだろう。
どの医者も勝手な事を言う。
全く違う意見を両側から突きつけられ、結局余計に悩む事になるのだ。
様子を見るしかない状態である。
寝顔はワンチャンスEE:AEB67
ピンボケでした。