ぽ子はまだまだ考えている。
このところ異常に鳴き、異常に体を舐めるエルに手を焼いているが、相変わらず原因がわからない。
原因がわからないと対策の立てようがないから困り果てているのだが、色々考えてはいる。
エルが異常に鳴く相手のほとんどが私であり、その理由はどうやら布団に一緒に入りたいというところまでは掴んだ。
じゃ、それは何で?と言うところを、今度は知りたいのだ。
このところ一緒に寝てなかったのでそれが原因かとも思ったのだが、昨日の午後からはまた大鳴きが始まった。
寝不足覚悟で一緒に寝るようにしたのだが、どうやらこれもシロである。
しかし、布団に行こうと鳴いているのは確かだ。
手に噛み付いてグイグイ引っ張っていく。
行き先は布団のある和室への引き戸の前か、2階の寝室へ続くドアの前だ。
そのドアを開けるとダダダッと前に出るが、ちゃんとついて来てるかどうか、途中で止まって振り返る。
一緒に寝室に入るとベッドに乗り、枕元からこちらを仰ぐ。
待ちきれないと布団に鼻先を突っ込んでみたりこっちを見たりだ。
布団に何かあるのか?
前回書き損ねたが、エルが異常に興奮するようになったものに、毛布とピンクちゃんもあった。
ピンクちゃんとは、エルが子猫の時のお気に入りだった、フリースの布だ。
以前はこれにキュキュッと噛み付いて、手でモミモミしてゴロゴロとリラックスしていたのだが、これが最近激化してきて、ギューッと憎々しげに噛み付いてはフンムッと食いちぎるのだ。
キュキュッの延長だと思って気にしていなかったが、これもおかしいっちゃおかしい。
もしかして布団に入りたいのは、毛布に中毒してるためか?
私は布団に入った時に、毛布を足で下のほうにズリ下げてしまい、エルから遠ざけてみた。
エルは何となく物足りなそうにオロオロしたが、それだけである。
何度も試したが、結局は毛布がなくても興奮して喉を鳴らし、体を舐める。
体もそうだが、私にも良く舐めてくる。
手の甲よりも手の平、手の平よりも首、首よりも顔、とヤスリ状の舌が耐え難い場所をより好んでいるようなのが、つらいところだ。
毛布もシロだった。
では何だ??
先にも書いたが、鳴いて要求する対象は私が多いのだが、注意してみると、私の手を追っていることが多い。
それは何でだ?
手に執着するのは、もしかして、手に食いついて引っ張れば、私が引っ張られていくからかもしれない。
ご丁寧に力を抜いて「はいはい、どちらへ行きたいのですか?」と毎度付き合っているのだ。
そこで次に思い当たったのが、私の「甘やかし」だ。
とにかくエルが心配で心配で、エルに過剰反応しているところがあるかもしれない。
そう言えば、いっつもエルと目が合う気がする。
いつもエルばかり見ているのを、見透かされてる感じだ。
エルが鳴いて参ってる、と娘ぶー子に言うと、「そんなの放っておけばいいんだよ!気にし過ぎ!私だったら和室に放り込んでシカトだッ。」と言われた。
ひどいヤツだ・・・。とその時は思ったが、確かに一理あるかもしれない。
仮説から始めて、検証する。
今はそれを繰り返して、仮説の裏づけをしようしている。
次にできることは、エルをほったらかすことだ。
・・・できるか?ぽ子。