人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

エルに何が

久しぶりに、心配で発狂しそうである。

予防接種のついでに、おしっこの検査とハゲを診てもらいに、病院へ行った。

予防接種はハガキが来た。

ハゲは舐めハゲ。

おしっこは膀胱炎かもと。

エルのトイレ使用率の低さは何度も記事にしたが、やっと、やっと私もここに思い当たったのだ。

膀胱炎になったミは良くトイレの失敗をしたし、そういえばエルも頻尿といえば頻尿だ。

ずっとそうだったし子供だからと思っていたので、気がつかなかった。

朝イチで行ったからか、病院は結構空いていた。

この病院は先生がたくさんいるので、指名する事もできる。

私達たち以外の人は指名していたが、実は私は指名をした事がない。

したい気持ちはやまやまなのだが、何だか指名しなかった先生に失礼な気がして、ましてやこれまで診てくれたことのある先生だったら、嫌な気持ちになるだろうなぁと思うとできなかったのだ。

でも、信頼関係のない先生の言葉は、すんなり聞けないものもある。

できればエルの入院してた頃を良く知っていて、あの頃コミュニケーションのあった先生が良かったなぁ。

さて。

結果は、

ストルバイト。

またもストルバイトである。

ラ、ミに続き、エルまでも、おしっこに結晶があるというのだ。

何でなんだろう??

我が家のどこかにストルバイトを作る要因があるのか??

そういう事で、どうやらエルも膀胱炎だ。

一生療養食決定だ。

かわいそうに、もう晩ご飯のキッシングおすそわけ、つまり口移しの儀式はできなくなる。

トイレがちゃんとできた時のごほうびのカニカマも、もうナシだ。

「細菌+2」については、膀胱炎とカブッてるので単体での判断はまだ難しいとのこと。

抗生物質をもらって様子をみる。

ハゲについては、「一緒に寝ると興奮して舐める」という事が原因になっているなら、まずその原因を取り除くこと。

それでも治らない場合は皮膚病の疑いであるとのことだ。

一緒に寝るなと!?

この時は理論的にはごもっともと、ハイハイ言って帰ってきたが、この言葉の重みが今重くのしかかっている。

エルを一人で寝かすなんて、できる訳ないじゃないか。

今まで、入院してた時期と酔っ払って忘れてた1日を除いて、毎日誰かしら一緒に寝ていたのだ。

とにかくストルバイトをなくすエサに変える事、薬を飲ませる事、舐める原因を取り除く事、そして1週間後に来る事となった。

予防接種は先送りだ。

ストルバイトには驚いたが、まだ想定内であった。

この後のエルが、私を奈落の底へ叩き落すのである。

まず、帰りの車でどえらい鳴いて手を噛まれた。

まぁストレスがあったんだろうと思うが、これまでこんな事は一度もなかった。

そもそもエルはほとんど鳴かないのだ。

それをしゃがれた声で鳴き続けられたので、さすがに「どうした?」という気持ちになる。

そのまま家に着いても鳴き続けているので、今エルのお気に入りの、「ベッドで添い寝」に誘った。

案の定大喜びでついて来たが、問題がある。

だから、ベッドで添い寝をすると、興奮して体を舐めるのだ。

舐めハゲが悪化してしまう。

もう一緒に寝るなと言われたばかりである。

しかし今は、「病院でストレス」という、イレギュラーな事態なのだ。

私は寝ないでエルの腕を庇えばいいのだ。

こんなに鳴いて、ほらほらエル、お布団においで。

聞き分けのない姑状態である。

やはりエルは布団の中で興奮してゴロゴロ喉を鳴らしている。

まぁストレスよりはいいだろう。

私は腕を舐めたがるエルを、私の腕に誘導して過ごした。

そのうちやっと落ち着いた。

だから私達は買い物に出たのだが、帰ってきたら、またやり直しである。

エルは鳴く。

異常なほど鳴く。

そばにいると手を舐めてみたりするが、ウロウロ落ち着かない。

ちょっとでも離れようとすると、もの凄く鳴く。

どうしたんだろう(泣)

ハゲた腕もまだ舐めるので、何かでガードしようと考えた。

まずは包帯を巻こうとしたが、巻かせない。

無理矢理巻こうと頑張ったが、暴れるので結局ずれてしまう。

次に、軍手の中指を切って、エルの腕にはめようとしたが、細すぎた。

前にネットオークションで買った大量の犬用の服も、長袖はなかった。

その代わり、靴下が入っていた。

もちろん靴下じゃ丈が足りないが、つま先を切って筒状にして、サポーターのようにハゲた部分に当てればいいかも。

これは、確かに簡単に装着できたが、嫌がって手を振るので取れてしまった。

どうしよう(泣)

このままじゃ今夜一人で寝かすか、腕をもっと舐めて悪化させるかだ。

「洋服の袖に、それくっつけちゃえばいいじゃん。」

娘ぶー子が提案した。

今ある犬用の半袖の服の袖に、さっきつま先を切った靴下を縫い付けると。

縫うのか。

裁縫は苦手だ。

最後にやったのは、やはりエルの入院中に、手を入れられる酸素室を作った時だ。

もはや私が針と糸を持つのは、家族の危機しかないようだ。

結果は上々、腕を舐めるのは諦めたが、しかしまた大鳴きだ。

離れると鳴く。

こう言うと「自分で言うなよ」と突っ込まれそうだが、事実をそのまま書くと、どうやら私に反応している。

私に向かって何かを訴えるように鳴き続けるのだ。

手を出してやると甘えるようにガジガジ咬むが、その合間にも鳴いて何かを訴える。

どうしたんだエル(泣)

とうとう我慢できずに、西川口の先生に電話した。

膀胱炎の症状が辛くてストレスになることはあるらしい。

薬が出てるなら、それが効けば納まってくるだろうから。

まだ様子は見れるだろう。

心配ならいつでも連れてきて。

そんな感じだった。

しかしその後のエルも鳴きっ放しで、もう明日病院だ、と言う気持ちだ。

あまりに落ち着かないので、禁断のペットボトルを出した。

DAKARAはもうなかったから、空のスポーツドリンクのを。

彼女は喜んで食いつき、キャットタワーの1階の小さな個室に持って行き、しばらく大人しく一緒にこもっていた。

それに飽きるとまた鳴き出したので、今度はお気に入りのタオルをその個室に入れてあげた。

やはりしばらくは落ち着いてこもっていたが、そのうちまた出てきて鳴き出した。

どうも私なのだ。

私は家に帰ってからずっとパソコンに張り付いているが、横に来て、膝に手を乗せて立ち上がり、鳴くのだ。

もう「かわいい」などという段階ではない。

どうしたんだと、心配で仕方がない。

その都度、思う存分手を咬ませていたが、ある事に気がついた。

エルは私の手を咬むだけでなく、咬むとグイグイ引っ張っているのだ。

もしかして、どこかに誘っているのか??

私は手の力を抜いてエルに任せた。

エルはズンズン進む。

私は力を抜いたまま、エルについて行く。

エルはあたかも軽い獲物をくわえて行くように進んで行く。

エルの連れて行った先は、先ほどのペットボトルとお気に入りの布のある、キャットタワーの1階の小さな個室だ。

そこに私の手をエルがくわえたまま入ると、やっと口から離してくれた。

私は片手をキャットタワーに突っ込んだまま、途方に暮れてしまった。

エルは満足したようでやっと鳴きやみ、丸くなって寝る準備だ。

エルは大事だ。

大切な家族だ。

しかしだよ、このままどうなる??

私はゆっくり手を引き抜いたが、すぐに気付き、また鳴いて追ってきた。

明日近所のかかりつけか、あさって西川口の神様のところか。

悩んでいる。