やり始めると、ハマるタチだ。見て見ぬふりをしていた庭が、今熱い。
最初のうちは大きな雑草を抜くだけのつもりだったが、芝も変な風に伸び、せっかく咲いたガーベラも葉が変色していた。ガザニヤも死にかけていたが、こちらも枯れた部分を取り除いて復活待ちとなった。
こうして手をかけ始めると、楽しくなってくるものである。猛暑が来る前に、やれれることをやれるだけやっておくことにした。
それにしても憎いのはドクダミだ。ドクときてダミ。名前からしてふてぶてしく、害しかなさそうである。
その繁殖力は凄まじく、戦ってもきりがないのでもう諦めていた。
しかし何か方法があるんじゃないかと調べたところ、なんとハサミで切るだけで根絶で きるという。ドクダミは種ではなく根で増えるので、光合成ができなくなれば弱っていくとのことらしい。
面白いのは、根に刺激を与えると増やす物質を出すか何かで、「気づかれないよう切れ」とのことだ(笑)
スニーキングならMGS(ゲームだ)で鍛えてある。あいつら、根絶やしにしてやろうぞ。
ところがいざ始めてみると、これが結構難しいことが分かった。というのも、うちの庭には芝が植えてあるので、ドクダミの根元が見えないのである。その上あいつら、まるで身を守るように葉で茎を隠している。こうなると適当にあたりをつけて切るか、そっとあるいは素早く葉をよけてハサミを入れるかである。
一体「気づかれない」という判定はいかほどなのか。なんなら移動でちょっと踏んづけた刺激でバンバン増えていくのか。そう思えば思うほど、怒りのようなものがこみ上げてくる。
まぁ切れば減りはするだろう。私は地面に這いつくばってドクダミの根元を見定め、ハサミを入れて行った。
それから10日ほど経っただろうか。私は庭を見て愕然とした。増えている。一面、と言っていいほどのドクダミに覆われていた。どういうことなのだ一体。
私の攻撃がバレバレで、敵のターンに入っていたということか。ならばこれは敵の圧勝と言わざるを得ない。
私はマンガの悪役がしてやられた時のように、ワナワナと立ち尽くした。
・・・・・この野郎。絶対に許さん。私の負けはない。増えたのなら増えただけ刈り取ってやる。
朝イチで立てた一日のスケジュールを変更し、ドクダミ徹底抗戦に充てる。ちょっとも残さない。全て、完全に、切り取ってやる。
怒りのあまりに行動が早かった。ビフォーを撮らなかったのが悔やまれるが、アフターを残しておく。数日後にはこれがビフォーになり、アフターの画像を載せることになるだろう。いや、アフターなどという変化がないことが望ましいのだが。
小さい庭だが、それだけにドクダミに覆われるとダメージがでかいのだ。
ところで、悪いことばかりではなかった。こんなものを見つけたのだ。
あまりにしっかり生えているので画像検索にかけてみたら、ジャガイモのようである。去年娘達が気まぐれに植えていた残りから生まれたらしい。
こちらもやれるだけのことをやってみようかと思う。
どちらも結果は、しばらく先になる。
どうなることやら。