人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

鉄は熱いうちに、大葉はフレッシュなうちに

庭に関してはもう、完全に投げた。完全放置状態である。

結局これが、誰にとっても一番幸せなのである。

 

しかし春が来ると、完全放置ともいかなくなってくるのだ。

次から次へと雑草が生えてくるのである。

限界まで放置して、仕方ない、いよいよか、というところで一気に抜く。

これで当分いいだろうと思ってまた放置を決め込むと、ある日また次の波が来ていてガックリする。それが春だ。

 

そして蜂が来た。

 

アシナガバチが来て、アシナガバチが死に、

そして次のアシナガバチが来て、次のアシナガバチが死に、

次にはミツバチが来た。

 

もう庭なんて大嫌いだ。

手入れが面倒でハゲチョロケに切ってしまった目隠しの木、朽ちる寸前のラティス、乾燥した鉢に生えた雑草、大量の空っぽの鉢・・・。

奥さん、飽きちゃったのバレバレの庭である。かといって、もうどうしたらいいのか分からない。

鉢を片付けるには、中の土をどうしたらいいねん。

そこでいつも思考が止まってしまうのであった。

かくして我が家の庭は、今日も荒れたままであった。

 

ところがつい、つい魔が差して、買ってしまったのである。大葉のポット。

一度だけ買ってきたことがあったが、結構たくさん使えたような記憶がある。

手をかけなかったので短命だったが、それでもたくさんとれたのだ。悪くない。

これひとつ。たったのひとつだ。庭全体じゃなくて、大葉のポットたったのひとつだけを考えればいい。それだけでいいんだよ。

そう言い聞かせて、つい買ってきてしまったのだ。

 

鉄は熱いうちに打て。大葉はフレッシュなうちに植えろ。

庭を見ると蜂はいなくなっていた。

こ、殺さないで良かった。また罪を重ねてしまうところであった。

巣も見当たらないし、後腐れのない淡白なヤツだ。今後ミツバチまでは良しとする。

 

久しぶりに庭に出てみると、もう雑草の第3波が成長を始めていた。

鉄が熱いのなど、いつまでなのか分からないのだ。今のうちにこいつも片付けてしまおう。

時間に余裕があったので、私はとっても丁寧に草むしりをした。

意外とハマるという理由だけではない。

見たくないものがもうひとつ、控えているからであった。

 

あらかた雑草を抜いてしまうと、目の前を通るにも関わらず「それ」には気づかぬふりをして、庭の端に大葉を植えた。肥料まで足してやった。

 

これでこれは終わり。

 

・・・さて。

 

チラリ。

 

 

花束にみたいだな、枯れてるけどw

これも放置のなれの果てだ。

バラは雑草ではない。本来、ほったらかして育てるものではないのである。

それなのに、ほったらかしで良くぞここまで育ってくれた。それなのに私は。

10日ぐらい前に見たら、とっても綺麗だったんだろうな。それなのに私は。

 

 

これを、

 

 

こんなにしてしまった。

 

そもそも枝がダルンダルンに伸びて前傾し始めてから、どうしたらいいのか分からずしらばっくれていたのだ。

これらは29個の花をつけて、さらに前のめりになっていた。

 

鉄が冷めてしまいそうだ、もう今しかない。

ハサミを持ってきて、花を切り落としていく。

そしてビニール紐で、バラ全体を後ろに刺さっていた棒にくくりつけた。

バラの重みで棒は大きく傾いたが、もう限界だ。私の能力の。これ以上頑張ると、叫びだしてしまいそうだ。

 

肉体的にも限界であった。家に戻ると疲れて動けなくなってしまった。

その代わり得意のネット検索で、バラの手入れについて調べてみた。

 

う~~~ん、なんかとてつもなく面倒なものが植わっているみたいだ・・・。

まずさっき切った花んとこ、全部切る場所が違った。5枚葉の上ってなによ、5枚葉の上って!

 

しょうがないね、もう、ついでに汚い葉っぱもサッパリ切り落としてくるよ・・・。

 

 

大葉+バラ。

2つだから頑張るよ・・・。