人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

コラッ!!

「あ!!」

 

一瞬の出来事であった。

油断した。

というか、そんな展開は予想していなかったのだ。まず驚いた。

朝食の支度をしていた時のことである。

テーブルにはもうおかずの皿が出ていて、私はキッチンで汁物の準備をしていた。

ふとカウンターからテーブルの方を見ると、「みつこ」がさつまあげをくわえるところであった。

犬がさつまあげwww

じゃないっ!!「ちょっ、コラッ!!」という私の声に反応して、ダンナが気づく。
「コラー!!」ダンナにしては珍しく凄んだが、みっつはケロッとして食べてしまった。

 

食べて大丈夫なのか!?スマホで「犬 さつまあげ」で検索すると、案外経験者が結構いたのが可笑しい。どうやら犬とは、つまみ食いをする動物らしい。

不思議だ。

お座りもお手も待てもできるのに、どうしてつまみぐいだけは待てないのか。

どうも彼らは、食欲に関してだけは自制心が薄いようである。

犬を迎えるにあたって、「ゴミ箱気を付けてね」とアドバイスを貰っていた。

紙のようなゴミばかりだったのであまり気にしてなかったのだが、漁る(笑)気が付くと何やらムシャムシャやっているのだ。ゴミ箱はカウンターの上に上げられた。一時的のつもりが、定位置になりつつある。

散歩の途中も、油断ならない。ふと見るとモグモグしているのだ。

ある時、「怪しい干物が落ちてるから注意」との申し送りがあったにも関わらず、その瞬間を見過ごして気づくとすでにもうモグモグしていたことがあった。

「怪しい干物」である。これを食べさせる訳にはいかない。

「コラ!!(バカのひとつ覚えのように、いつもコラである)」と言って口に手を入れると「は~なすもんかーソーセージ(分かる人だけでいいです)」とばかりに食いしばる。

私が掻き出そうと必死になっている間も、一向に気にせずモグモグゴクンとやっている。

少量ばかり喉から掻き出したが、なんたる根性。

犬はおりこうさんだと思っていたが、食べることだけは細心の注意を払わなくてはならないようだ。

利発さと食い意地。このギャップ。

どうもみつこがアホっぽく見えるのは、こういうところにあるのかもしれない。

 

ところで私はこの性質を利用して、しつけにはバンバンおやつを使っている。

経過は良好だ。

ダンナの「ハウス」は聞かないのに、私が言うとすっ飛んで行くのは痛快である。

本当はおやつなしでできるのが理想みたいだけどね。