ステイホームだ、酒飲みには厳しい期間であった。
何とか工夫をしてしのいできたが、何しろ酒である。家飲みでも、思いもよらない事態が起こることがある。
翌日、その失態に身もだえした。
酔っていたのである。
酔ってなければ、あんなことにはならなかった。
あの日も明るいうちから飲み始め、夕方にはもうすっかり出来上がっていた。
そんな頃にはテーブルのスマホから懐かしい曲なんかが流れており、それがまた酔いを一層加速させるのだ。
気持ちがいい。
つい口ずさむ。すると今度は「歌う」という新しい快感が訪れる。
声のボリュームは、どんどん上がる。
とうとうカラオケ大会と化し、ダンナと順番に大声を張り上げて歌っていたのだ。
あとで気が付いたが、窓が開いていた(笑)
ご近所に全開だ。私はしばらく顔見せできず、誰にも会わないよう時間帯を工夫して外出するようにしていた。
恥ずかしい。
こんな歳にもなって、大声で歌を歌いまくっていたのである。
「・・・でも、気持ち良かったよね・・・。」
酒もダメ、カラオケもダメ、なのでつい、噴出してしまったのだ。
「またやらかしそうで怖い。」
実は、初めてのことではないのだ。時間がべらぼうに長かっただけで。
防音を施せれば問題は解決するが、このリビングを防音仕様にするのは現実的ではない。
そこでふと、思い出したものがあった。以前バンドのLINEでやはり防音の話になり、「こんなのあるよ」と教えてもらったのである。
ボーカル限定だが、要は口をカバーして声を漏らさないようにするアイテムである。
確かそれは単なるミュートのためのカバーだったが、その進化系のものを購入。
シールは自前です(笑)
マイク、イヤホン付きで、スマホに繋げられるのだ。YouTubeのカラオケ動画に合わせて歌うことなんかもできる。
マイクは2本まで繋げられるので、二人までは音源を共有できるようになっている。
ただしマイクは、生声に負けて割れてしまう(笑)
しかしそれほど大きな声も、しっかりミュートしてくれるのだ。思いのたけ大声を出して歌ったのであった。
そう、早速この週末は歌いまくりだったのだ。
宣言は解除になったが、自粛はまだまだ続きそうである。
無駄な買い物には、しない。