何となく、嫌な予感はした。
こういう時は、大抵「負け」だ。予感がした時点で、負けているのである・・・。
早めに布団に入り、本を読み、いよいよ眠くなったところでメガネを外し、本を閉じる。
喉の保護にマスクをし、耳栓をして、睡眠計測アプリを起動。
準備OK、電気を消す。
ここでふと、不安がよぎるのである。「眠れなかったらどうしよう・・・・・。」
もう十分こってりと眠いのである。そのまま素直に眠ればいいだけなのだが、この一瞬の不安が、何かを起こす。
今までこの一瞬のせいで、何度も眠れなかった実績があるのだ。その実績が、この一瞬を鮮明にする。
気づかないようにしたつもりだ。しかし、すでに気づかないように意識している時点で不自然だ。
認めてしまった方がいい。
私は今、不安だ。今夜は眠れないかもしれない。
それならそれでいいじゃないか。眠れなかったらどうするかを考えよう。
そう開き直ったところで、すっかり目が覚めてしまった。眠れない夜が、確定する。
ところで一応前置きさせてもらいたいのだが、二度寝や昼寝をした訳ではない。むしろ前夜も良く眠れず、寝不足であった。
疲労も睡眠不足も、助けにはならないのである。むしろ「それなのに寝れなかったらどうしよう」というプレッシャーになる。
こういう精神的な要素に、左右されやすい。
だから「✕✕をしたから大丈夫」といった、おまじない的な思い込みも、大事だ。それが、薬や耳栓だったりするのである。
さて、眠れないことを認めてしまったら、どう過ごすか。
もういっそ、明日の午前は潰すつもりで、明日やるべきことをやってしまうか。
現在の最優先課題は、曲のアレンジとその譜面作成である。
さすがに、今からそのように脳味噌をこねくり回すような作業をする気にはなれなかった。
それ以外のことをして夜を明かし、明日の午前を潰し、アレンジにまつわる作業の時間を削られることを考えると、他のことをする気にもなれない。
眠くなる希望を、捨てたくはなかったのだ。
本の続きを読むことにした。
しかしちょっと読んでいて、思った。
全く眠くない。本は面白い。このパターン。
このまま朝になるぞ。
あぁ、できるなら眠りたい。本当は、少しでも眠りたいEE:AE474
スマホを手にした。
寝る前のスマホは良くないなどと言われているので、一応ブルーライトをカットするようなアプリを使っている。
薄暗い画面で、眠れない時に効果があるものを検索する。片っ端から、試してやろう。