ひじょ~~~~に気の重い父の日であった。
そもそも、何も決まっていないまま当日になってしまったのだ。
父と一緒に食事でもするつもりでいたが、ダンナは休日出勤でいないし、私が自力で連れて行かれるところなど限られている。
駐車場が広く、初めてではない場所。
そして父を連れて行かれる場所も、限られている。
たくさん食べられない。あっさりしたもの。麺類ではない。
かつ、その日の事情で限られていたこと。
飲めない。
当日まで考えに考えて、全く思いつかず正直ウンザリしていた。
父との関係にしても、良くはなろうが父自身の性格は変わらないのだ。一対一で積極的に会いたい相手ではない。
ましてや二日酔いで。
考えれば考えるほど気が重く、とうとう当日まで思いつかないまま、時間は流れてしまった。
ダンナからは、食事代として1万円置いていって貰っていた。
しかしグズグズしているうちに、とうとう昼も過ぎてしまった。
時間が経てば経つほど義務感が生まれてきて、ますます動けなくなる。
はぁ~、とにかく今日いるのかどうか確かめなくては。いなければ問題は先延ばしにできる。
スマホを立ち上げると、父から着歴。ああ。
ああEE:AEB64
「電話くれた?」
自分が誘わなくてはならないことにはしらばっくれて、ホントに意地の悪いヤツだ。
父に、用事などなかったようである。やはり「父の日」であったことを意識していたのか。
用事のない父はしどろもどろで、今度またみんなで集まりたいというようなことを回りくどく言った。
はぁ、言わなくては。「今日はいるの?」。
ダンナとの待ち合わせは、4時半であった。父と駅前で落ち合ったのは4時。
父は家に呼んでゆっくりしたかったみたいだったが、こっちも時間が迫っていたので駅前まで呼び出してしまった。可愛い声でハイハイ出て来たりするあたりがまた、哀れである。
駅前のコーヒーショップに入り、席に着くと、周りの人が一斉にこちらを見た。
父の声がバカでかいのである。
当の本人は注目されていることになど気がつかないので、自分がウルサイなどという自覚はない。
前にも法事の帰りの電車で、「もっと静かにできないのかEE:AEB30」と怒られたことがある。
冷や汗。
父は、上機嫌で良く喋る。
隣のカウンターのおじさんが、不快感もあらわに何度もこちらを振り向く。父は全く気がつかない。
やがて諦めたように、カウンターに肘をついて耳を塞いでしまった。
このおじさんがキレる前に退散したいのが本音だ。
しかし一万円貰っておいて、コーヒー一杯で済まそうというのだ。あまりむげにはしたくない。
隣の席の若い男性は、席を移ってしまった。
カウンターのおじさんの隣に座る女性は、時々目を丸くして何事かという顔でこちらを見る。
針のムシロじゃEE:AEB64
耳を塞いでいたおじさんが、またこちらを振り向いた。
もう限界EE:AE5B1
父は何かを話している途中だったが、「ごめん、もう時間がないから。」と席を立った。
ものの20分ほどの父の日であった。さすがに胸が痛む。
「今度はお父さんの家で。」
美味しいお魚売ってるお店に連れて行くよ。
お兄ちゃんやダンナも呼ぼう。
父は嬉しそうだ。
しかし後で思い出したが、みんなで飲んでた時に、隣に壁ドンされたことがあったような・・・EE:AEB64