人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

60年ぶりの激動

「・・・なにこれEE:AE5B1

西武球場前駅を降りると、物凄い人で溢れ返っていた。

「いつもこんなに混んでたっけEE:AEB2F

「いや、今日何かあるのかなEE:AE483EE:AE483

今年もダンナの会社のチケット抽選に当たったので、ファンでもないがこうしてまたやって来たのだ。

それにしてもこの盛り上がりは何なんだ、と思っていたら、西武ライオンズの60年ぶりの14連勝がかかった試合だとか。

すみませんね、私ごときが酒のついでに観戦なんかに来ちゃって。

まぁそういうことなら私も、それなりに応援するとしますか。

試合までどこぞで飲み食いしようと思っていたのだが、このように混み合っていて座れる場所がない。

仕方なく植え込みに座り、持って来たビールを飲み始めた。

ここからが私達の試合開始である。

入場時に西武のユニフォームをくれたのだ。

すでに特典で2枚貰ってあったが、これで4枚に。太っ腹。

大切な試合だからみんなでこれ着て応援してね!ってことなんだろうが、後で売れるかもしれないから私は着なかった(笑)

何なら欲しい方、あげますよ。ダンナの汗の染み込んだヤツを洗濯したヤツでも良ければもう1枚。

私達の隣には、小学2、3年生ぐらいの兄弟が座ったのだ。

ここしか席がなかったのか、親たちと離れてしまったらしい。

試合中にこの子らと仲良くなり、7回で風船を一緒に飛ばそうね、と言っていたのだ。

それが、親御さんの方の席が空いたのか、風船を待たずして彼らは行ってしまったのである。

その時の落胆ったらないよ。

それまで一緒に盛り上がってたのに、私達は急に大人しくなってしまった。ダンナは「なんだよ、なんだよ・・・。」と悔しそうにいつまでも呟いていた。

しかし荷物は置きっぱなしだったので、戻っては来るはずである。

早く来てくれればいいが。

試合の運びは、散々であった。

4回の表に4点、5回の表に1点ソフトバンクが入れ、ダンナの機嫌はめきめき悪くなった。

「この野郎。」「馬鹿野郎。」チンピラかと突っ込みたくなるような荒れようだ。

しまいには大きな声で「ヘッタクソEE:AEB30」などと言ったもんで冷や汗が出たが、後ろの席に座っていたご老人もそれに続いて「ヘタクソEE:AE4E5」と続いたので、妙な連帯感が生まれてしまった。

この方は途中で耐えきれなくなったのか、帰ってしまった。

7回の攻撃に入る前に飛ばす風船を、買いに行く。

ついでにトイレに行き、勝手にケンタのチキンも購入。

席に戻ると、ダンナが泣きそうな顔で「子供達、帰っちゃったよEE:AEACB」と言った。

試合運びが親御さん達の怒りを買ったか、単純にもう子供は帰る時間だから、ということなのかは分からない。

風船だけが残されていた。

しかしライオンズの応援歌が流れれば、もうケロっとして風船をフリフリ歌っている(笑)

酔っ払って全然違うタイミングで先に風船を飛ばしてしまったダンナ。

2個ずつあったので、ひとつ分けてあげる。

しかし応援空しく、チャンスを生かせない西武に見切りをつけ、私達も途中で帰ることにしたのだ。

せめてもの抵抗だ。

もちろん選手たちも頑張っているんだろうが、こんなにもどかしい試合はない。

内野席から出口に向かっていた。結構距離があるので、横目で試合を見つつ。

それが、応援団のいる外野自由席のあたりに来た頃には、巻き返しに入っていてビックリ。

そのままその場で一緒に応援だEE:AEB30

こっちの席は応援団がいるだけ、盛り上がりも連帯感も全然違う。

点数が入るたびにハイタッチ、飛んで踊って、何かこっちの方が面白かったぞ(笑)

結局負けてしまったが、いい試合だったと思う。

それだけに悔しくもあるのだろう、ダンナはずっと「畜生。」「馬鹿野郎。」と不機嫌であった。

今年の野球観戦である。