またしばらく猫の話が続きそうだ。
辛気臭いのが苦手な方は、カレーの記事でしのいでくださいEE:AEAD9
動物を飼うのは、初めてのことではない。
しかしまともに看取るのは、初めてに近い経験になる。
実家にいた頃に親子猫と長い間一緒に暮らしたが、私は結婚して家を出てしまい、その後1匹は行方不明、もう1匹はケガがもとで入院先で死んでしまった。
どちらもその死に立ち会っていないのだ。
ケガの親猫ミー子は、ある日実家に行ったらいなくなっていてその入院を知った。
ケガして入院、という程度で、私も家族もまさか死ぬとはこれっぽっちも思っていなかったので、大変ショックを受けた。
分かっていたら、入院などさせなかった。
連絡があり、遺体を引き取りに連れて行って欲しいと親に頼まれたが、私は行きたくなかった。
死んだ姿を見たくなかったのである。ミー子の死を受け止める自信がなかった。箱に入って動かなくなったミー子を想像しただけで、はち切れそうであった。
その時たまたま兄が帰って来たので、結局兄が代わりに行ってくれたのだ。
私はついに、そのままミー子に会わずじまいであった。逃げたのである。
しかし今、そのことに後悔はない。
私は「死んだミー子」を思い出すことがないからだ。
しかし今度は、逃げられない。
こんな日が来るとは、思わなかった。
来ないはずはないんだけど、考えもしなかった。
一度入院して思い知ったはずなのに、平穏な日々が戻るとすぐに忘れてしまう。
ラッキーは、もうすぐ死ぬ。
ラッキーがいなくなるなんて、想像もできない。
そしてやがて、ミュウもエルも大五郎も死ぬ。
この家に、ダンナとふたりだけになるのだ。
生活の中に、いつも猫がいた。当たり前のようにいた。
それらは壮絶な死と喪失感と引き換えに、必ず奪われていくのである。
責任を果たす時が来た。
どんな選択も後悔が残るだろうけど、どうか最後までやり遂げられますよう。