小腹が減った。
夕方ぐらいになると、小腹が減って来る。
朝食も昼食も、自分のためにわざわざ作るのは面倒なので、いつも残り物かインスタントである。そのどちらも、腹持ちが悪い。
そうなると、また残り物かインスタントをまさぐる羽目になる。
さすがにインスタントは重いので、残り物が理想的だ。
しかし、そうそうタイミング良くいいものがあるとは限らない。
どうしようもない時は、納豆をそのまま食べたり生卵に醤油を入れて飲んだりしている(笑)
またそうなるかと思っていたところ、「アレ」の存在を思い出した。
嫌な感じがした。
思い出さなくてはいけないものだったが、意識的にそれを避けて来たのだ。
いつまでも逃げている訳にはいかない。
気が重いまま、冷蔵庫から小さな袋を取り出した。
ある時、私は豚レバーの塊を半額で買ったのだ。
安かったし、つやつやのブロックで美味しそうであった。
栄養価も高い、こういうものをとりあえず買っておけば、健康的な食生活に繋がるんじゃないか。
まぁそもそも私はあまり、食材を買う時に後先考えない方なのだ。迷わず買った。
案の定、持て余した(笑)
ええい面倒臭い、この際、味なんて二の次でいいから簡単に作れるもの。
やっと作ったそれは、味噌漬けであった。茹でて、味噌につけておくだけ。
下処理と茹で時間にちょっと気を遣わなくてはならないが、簡単な方である。
実はこのレシピ、前にも作ったことがあったのだ。
レバーは茹で過ぎると硬くボソボソになってしまうので、「茹で過ぎない」が重要なポイントであった。
そして案の定、茹で過ぎた(笑)茹で過ぎたなんて生易しいものではない、忘れていた。
これにて一気にテンションが下がり、味噌に漬けてからも関心が持てず、長いこと冷蔵庫に入っていた記憶がある。
そして、今回も同じ轍を踏んだ。茹で過ぎ。
テンション下がったまま味噌に漬けて、そのまま忘れて(忘れるようにして)いたのである。
はー、捨てたくないなら、食べるしかない。
そもそも、味噌を流して切るだけのことが、「口に入れる」という行為の前に高いハードルだ。
水冷てー、味噌の感触が気持ち悪い、ウッ、なにこれ、硬っ!
レバーはコッチコチに硬くなっていた。角のところで物が切れそうなぐらいだ。
包丁を入れていく。
硬いEE:AEB64
軽く体重をかけるように、包丁を押し込んでいく。切れたスライスにはまるで柔軟性がなく、引力とはおよそ無縁に見える。
凄い色・・・EE:AE4E6
どす赤い物体は、中心に行くほど色が薄く変化しているが、全体的に赤黒く、グロテスクだ。
軽く2週間は、味噌に漬かっていたのだ。塩分もエグいことになってそうである。
思い切って丸ごと口に放り込んでみると、予想通り硬くてボソボソであった。
ところがだ。
ちょっと強めの味噌とレバー独特のエグみの融合。
食感さえ目をつぶれば、結構美味しいんじゃないか!?いや、こうなると食感ももはやジャーキーに思えて来る。
ジャーキーよりは幾分ジューシーなぶん、食感はいいと思えて来るじゃないか。
つまみだ。これはつまみにいいぞEE:AEB30
奇跡は偶然から起こることもあるのだ。私の失敗や怠惰も捨てたものではない。
で・・・・・、
もうひとつ、今度は生の魚がマリネ状態で10日ほど漬かってるんだが、さすがにこれは怖い。
奇跡はもう一度起こるだろうか。