人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

アレと対峙する

小腹が減った。

夕方ぐらいになると、小腹が減って来る。

朝食も昼食も、自分のためにわざわざ作るのは面倒なので、いつも残り物かインスタントである。そのどちらも、腹持ちが悪い。

そうなると、また残り物かインスタントをまさぐる羽目になる。

さすがにインスタントは重いので、残り物が理想的だ。

しかし、そうそうタイミング良くいいものがあるとは限らない。

どうしようもない時は、納豆をそのまま食べたり生卵に醤油を入れて飲んだりしている(笑)

またそうなるかと思っていたところ、「アレ」の存在を思い出した。

嫌な感じがした。

思い出さなくてはいけないものだったが、意識的にそれを避けて来たのだ。

いつまでも逃げている訳にはいかない。

気が重いまま、冷蔵庫から小さな袋を取り出した。

ある時、私は豚レバーの塊を半額で買ったのだ。

安かったし、つやつやのブロックで美味しそうであった。

栄養価も高い、こういうものをとりあえず買っておけば、健康的な食生活に繋がるんじゃないか。

まぁそもそも私はあまり、食材を買う時に後先考えない方なのだ。迷わず買った。

案の定、持て余した(笑)

ええい面倒臭い、この際、味なんて二の次でいいから簡単に作れるもの。

やっと作ったそれは、味噌漬けであった。茹でて、味噌につけておくだけ。

下処理と茹で時間にちょっと気を遣わなくてはならないが、簡単な方である。

実はこのレシピ、前にも作ったことがあったのだ。

レバーは茹で過ぎると硬くボソボソになってしまうので、「茹で過ぎない」が重要なポイントであった。

そして案の定、茹で過ぎた(笑)茹で過ぎたなんて生易しいものではない、忘れていた。

これにて一気にテンションが下がり、味噌に漬けてからも関心が持てず、長いこと冷蔵庫に入っていた記憶がある。

そして、今回も同じ轍を踏んだ。茹で過ぎ。

テンション下がったまま味噌に漬けて、そのまま忘れて(忘れるようにして)いたのである。

はー、捨てたくないなら、食べるしかない。

そもそも、味噌を流して切るだけのことが、「口に入れる」という行為の前に高いハードルだ。

水冷てー、味噌の感触が気持ち悪い、ウッ、なにこれ、硬っ!

レバーはコッチコチに硬くなっていた。角のところで物が切れそうなぐらいだ。

包丁を入れていく。

硬いEE:AEB64

軽く体重をかけるように、包丁を押し込んでいく。切れたスライスにはまるで柔軟性がなく、引力とはおよそ無縁に見える。

凄い色・・・EE:AE4E6

どす赤い物体は、中心に行くほど色が薄く変化しているが、全体的に赤黒く、グロテスクだ。

軽く2週間は、味噌に漬かっていたのだ。塩分もエグいことになってそうである。

思い切って丸ごと口に放り込んでみると、予想通り硬くてボソボソであった。

ところがだ。

ちょっと強めの味噌とレバー独特のエグみの融合。

食感さえ目をつぶれば、結構美味しいんじゃないか!?いや、こうなると食感ももはやジャーキーに思えて来る。

ジャーキーよりは幾分ジューシーなぶん、食感はいいと思えて来るじゃないか。

つまみだ。これはつまみにいいぞEE:AEB30

奇跡は偶然から起こることもあるのだ。私の失敗や怠惰も捨てたものではない。

で・・・・・、

もうひとつ、今度は生の魚がマリネ状態で10日ほど漬かってるんだが、さすがにこれは怖い。

奇跡はもう一度起こるだろうか。