日本における「クリスマス」は、もう文化としてすっかり定着していると言っていいだろう。
冷静に考えれば無宗教のこの国でクリスマスなんて、何の中身もない、単なる「消費促進経済活性」でしかないように思う。
なぜクリスマスにご馳走を食べ、イルミネーションを見て、恋人とロマンティックな夜を過ごすのか。
クリスチャンのそれとは、だいぶ趣が違うように思う。
かくいう私も、子供の頃からクリスマスパーティに行き、プレゼントを交換し、ケーキなぞ食べて育った世代だ。こういう日本のクリスマスに、違和感はない。
これは日本独自のクリスマス、まぁそれでいいじゃないかという感じだ。
それだけに、不幸な中にいる人にとっては辛いシーズンになることだろう。
何しろ中身のない単なるメリークリスマスという行事なのだ。
そこにあるのはプレゼント、ケーキ、歌、パートナー、ご馳走。幸せのオンパレードである。
世の中の能天気さから、逃げ出したくもなるだろう。
昨日は合唱の今年最後の練習日であった。
歌ったのは、「ホワイトクリスマス」。
私はこれを歌いながら、こうしてクリスマスソングを歌えることに、心から感謝したくなった。
もし私が今不幸の渦中にいたら、とても歌など歌えない。この場所に来ることもできなかっただろう。
世の中のクリスマスソングから耳を塞いで、自分の不幸を呪っていたことだろう。
生きている限り、いつか大切なものを失う日が来る。
間違いを犯し、追いつめられることもあるだろう。
肉体や心が病むこともあるだろう。
こうして何気なく歌うクリスマスソングは、実は幸せの証である。
それに気づいたなら、感謝しなくてはならない。
誰に?
ここはやっぱり、キリストでしょうEE:AEACD
メリー・クリスマス。
全ての人が、笑顔でクリスマスソングを歌えますよう。