1ヶ月近く猶予はあったのか・・・・・・・。
ライブを企画しているebbi嬢からその曲の依頼があったのは、先月の24日であった。
ストライパーという聞いたことのないバンドの曲だ。
うまく貼れる音源がないということで、まずジャーニーのアーネル・ピネダが歌っているバージョンを聞いた。
バラードだ。
かなりキーボードが前面に出ている感じはあったが、こういうのは好きなので、やりますと即答した。
そのまま3週間が経った。
そのまま。
まぁ色々重なって忙しかったのである。着手したのは4日前であった(笑)
聴くだけは聴いてあったが、これが現実となると急に難易度が上がるから不思議だ。
前半はキーボードの弾き語り状態である。ひとりで気持ち良さそうに弾いておられます。
まずはこの音を拾って譜面に・・・、E♭かEE:AEB64
黒鍵のキーの曲はあまり多くないので、まずここで、もっと早くやっておくべきだったと後悔。
しかし、キーボードがひとりで頑張っているだけあり、他の楽器がないので聴き取りやすい。
実は私は、耳コピの鬼である。一度音を拾い始めると、完璧を目指す。
完璧を目指している場合じゃないのは分かっているが、これもはや本能。
コード理論なんちゃらなど頭に入っていないので、そのまま再現するしかできないのである。
そして、1音たりとも逃したくないのである。
恥ずかしげもなく言わせてもらおう。完璧な楽譜ができた。
とは言っても、「ひとり用」だ。本来シンセとふたりで弾くものを、ひとり用にまとめたものである。
Honestlyを弾きたい鍵盤弾きに、売りたいぐらいだ。完成して私は大きな達成感を感じていた。
でもね、弾けなきゃしょうがないのよEE:AEB64
完コピしてる場合じゃなくて、本来は「弾ける楽譜」を作るところである。
案の定、弾けなかった。大変なことになった。
最初の一日はコピーに費やしてしまったから、練習は、ライブ当日含んで残り3日。しかもあと3曲のコピーも残っている。
それでも私は、簡素化するなどの妥協はしなかった。
どうしても弾きたかったのである。完璧に拾った音を、完璧に。
難易度としては、不可能ではない。ただ、完璧にするまでの時間が足りない。
ただただ練習するしかなかった。
音楽室の前を通るたびに、弾いた。
弾きはじめると、何度でも弾いた。
弾けば弾くほど、絶対に完璧にしたくなった。
単に「弾ける」というのはどういう状態なのだろうか。
とりあえず弾ける、というところまでは持っていくことができた。
「とりあえず」。
何度も続けて弾けば、間違えずに弾けるようにはなる。ただ、時間を置いてから弾くと、つっかえて止まるほどの失敗をする。
ライブで完璧に弾くためには、直前に何度も弾く以外になさそうである。そしてそんなことは不可能であった。
ならば最低限、間違えても止まらないようにしなくてはならなかった。
怖い。
間違えても止まらないで、立て直せるだろうか。
家で弾いても、それは難しい状態であった。
ここへ本番という緊張が加わるのである。
怖いよ~EE:AEB64
しかし私は、それと同時に「聴かせたい」という欲も持っていた。
何度も練習して慣れてくると、弾くのが気持ち良くなってくる。こうなると単に弾くだけでなく、ある程度「表現」ができるようになってくるのだ。
単なる機械的な伴奏ではなく、「Honestlyという曲」を「私」が弾く。私が伝えたい。
本番の出来は、練習の7割程度であった。止まらずに終えられたのが、救いである。
一度音を引っ掛けると頭が真っ白になってしまい、次のミスに繋がってしまう。
ミスが続くと余裕がなくなる。
その悪循環であった。
またシンセの音がほとんど聞こえず、ミストーンを多発したまま気づかないという有様。
残念だったが、この私にして7割という数字はいい方だったと考えるようにする。
曲が終わって、歌を歌ったebbiちゃんが「ぽ子ちゃん、ありがとう!」と言ってくれた。
ebbiちゃん、ありがとうEE:AEB69
今回この曲を弾くチャンスをくれたことに、心から感謝します。