人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子56歳。

Honestlyができるまで

1ヶ月近く猶予はあったのか・・・・・・・。

ライブを企画しているebbi嬢からその曲の依頼があったのは、先月の24日であった。

ストライパーという聞いたことのないバンドの曲だ。

うまく貼れる音源がないということで、まずジャーニーのアーネル・ピネダが歌っているバージョンを聞いた。

バラードだ。

かなりキーボードが前面に出ている感じはあったが、こういうのは好きなので、やりますと即答した。

そのまま3週間が経った。

そのまま。

まぁ色々重なって忙しかったのである。着手したのは4日前であった(笑)

聴くだけは聴いてあったが、これが現実となると急に難易度が上がるから不思議だ。

前半はキーボードの弾き語り状態である。ひとりで気持ち良さそうに弾いておられます。

まずはこの音を拾って譜面に・・・、E♭かEE:AEB64

黒鍵のキーの曲はあまり多くないので、まずここで、もっと早くやっておくべきだったと後悔。

しかし、キーボードがひとりで頑張っているだけあり、他の楽器がないので聴き取りやすい。

実は私は、耳コピの鬼である。一度音を拾い始めると、完璧を目指す。

完璧を目指している場合じゃないのは分かっているが、これもはや本能。

コード理論なんちゃらなど頭に入っていないので、そのまま再現するしかできないのである。

そして、1音たりとも逃したくないのである。

恥ずかしげもなく言わせてもらおう。完璧な楽譜ができた。

とは言っても、「ひとり用」だ。本来シンセとふたりで弾くものを、ひとり用にまとめたものである。

Honestlyを弾きたい鍵盤弾きに、売りたいぐらいだ。完成して私は大きな達成感を感じていた。

でもね、弾けなきゃしょうがないのよEE:AEB64

完コピしてる場合じゃなくて、本来は「弾ける楽譜」を作るところである。

案の定、弾けなかった。大変なことになった。

最初の一日はコピーに費やしてしまったから、練習は、ライブ当日含んで残り3日。しかもあと3曲のコピーも残っている。

それでも私は、簡素化するなどの妥協はしなかった。

どうしても弾きたかったのである。完璧に拾った音を、完璧に。

難易度としては、不可能ではない。ただ、完璧にするまでの時間が足りない。

ただただ練習するしかなかった。

音楽室の前を通るたびに、弾いた。

弾きはじめると、何度でも弾いた。

弾けば弾くほど、絶対に完璧にしたくなった。

単に「弾ける」というのはどういう状態なのだろうか。

とりあえず弾ける、というところまでは持っていくことができた。

「とりあえず」。

何度も続けて弾けば、間違えずに弾けるようにはなる。ただ、時間を置いてから弾くと、つっかえて止まるほどの失敗をする。

ライブで完璧に弾くためには、直前に何度も弾く以外になさそうである。そしてそんなことは不可能であった。

ならば最低限、間違えても止まらないようにしなくてはならなかった。

怖い。

間違えても止まらないで、立て直せるだろうか。

家で弾いても、それは難しい状態であった。

ここへ本番という緊張が加わるのである。

怖いよ~EE:AEB64

しかし私は、それと同時に「聴かせたい」という欲も持っていた。

何度も練習して慣れてくると、弾くのが気持ち良くなってくる。こうなると単に弾くだけでなく、ある程度「表現」ができるようになってくるのだ。

単なる機械的な伴奏ではなく、「Honestlyという曲」を「私」が弾く。私が伝えたい。

本番の出来は、練習の7割程度であった。止まらずに終えられたのが、救いである。

一度音を引っ掛けると頭が真っ白になってしまい、次のミスに繋がってしまう。

ミスが続くと余裕がなくなる。

その悪循環であった。

またシンセの音がほとんど聞こえず、ミストーンを多発したまま気づかないという有様。

残念だったが、この私にして7割という数字はいい方だったと考えるようにする。

曲が終わって、歌を歌ったebbiちゃんが「ぽ子ちゃん、ありがとう!」と言ってくれた。

ebbiちゃん、ありがとうEE:AEB69

今回この曲を弾くチャンスをくれたことに、心から感謝します。