目が覚めるなり思い出し、叫び出したくなった。
道を歩いていても、思わず唸ってしまう。
家のシンセを見るのも辛い。
最悪じゃ。
・・・と思っているのは私以外のメンバーではないかと思うとなお最悪である。
ebbi嬢によるP恒例ライブ、MFR。
今回は出演枠はなかったが、セッション2曲。
DoobieBrothersのChinaGroveは、まぁコード弾きだ。何とかなる。
RainbowのLostInHollywoodが・・・・・・・・EE:AEB64
そもそもキーボードは間奏とソロ部分だけなので、手の空いているところはコードで4分(4ぷん、ではない。そんなに押さえていたら曲が終わってしまう。4ぶ、4拍だ。)という、至極簡単なものを入れておく。
間奏部分にはまず、高速アルペジオとベースライン。
2周目にはこれにソロが加わる。
まず高速アルペジオと腕3本分の2周目が不可能だ。これを可能にしなくてはならなかった。
アルペジオは中速にアレンジ、2周目はアルペジオをカットしてベースラインとソロのみにする。
楽譜に起こして弾いてみたら、アルペジオが弾けなかったEE:AE5B1
左手のベースラインもちょいちょい間違えるしなEE:AE5B1
もうこれは無理をせず、できるだけ簡素化してしまおう。
アルペジオも4分のコードに。チャラララララがチャー、ってそれだけ。ごめんなさい。
これが当日の直前練習でも、左手が不安だ。ギリギリまでアルペジオの練習をしていたため、左手がおざなりだったのである。
えーいもう、どうせギターも入ってるし、左手はカットだEE:AEB30
こうして極限まで簡素化されたLostInHollywoodのキーボードができあがったのであった。
「ぽ子殿、キーボードよろしく頼みまする。」
「田村殿、失敗しとうないので、極限まで簡素化したでござる。」
「もうソロ部分だけやってくれれば良いでござる。」
「何としてでもソロだけは弾くでござる。」
ギターのタムさんとは、いつの頃からか怪しいお侍さん語を交わすようになっている。
「自分」を指す言葉がわからず「わらわ」になっているが、侍や大奥は「わらわ」と言うだろうか?
そして、田村殿の言われた通り、わらわはソロだけは何とかなると思っていたのだ。ゆっくりで簡単な単音ソロだ。しかもここまで簡素化して、もう弾けない理由がない。
曲が始まる前には、わざわざボーカルのebbiちゃんが私を紹介してくれたりして、テンションも上がった。
できる。
イケるぞ、今回は。
しつこいが、ここまで簡素化したのである(笑)
まぁここまでもったいつければオチは分かると思うが、酷い有様であった。
問題はやはり間奏部分で、まず、勝手に左手のベースラインをカットしたために、ベースラインが全くのお留守状態になってしまった。
なぜ他に誰も弾かなかったのかは謎だ。私が弾くと言ったから、任されていたのかもしれない。
そこで泡食ってしまい、2周目のソロに入れなかった。入れなかったので楽譜を遭難した。遭難したので弾けない。手に勝手に弾かせたが、勝手に弾いているのである、曲も何もあったものではない。
あそこね、ドラムも消えてね、ギターもベースも頭に1発ずつ入るだけ、完全にキーボードの見せ場だというのにだね、この体たらく。
何度も酷い失敗をしてきたが、これは殿堂の黒犬大混乱に並ぶ大失態であった。
二日経ったが、まだまだ傷は癒えぬ。
時々フッと頭にあのフレーズが浮かんできては、叫びだしそうになる。