No.8がない。
意図的にどこかへやったのではない。酔っ払って出してそのままいつの間にとこかへ行ってしまったのである。
捨ててないのだからこの家のどこかにあるはずだが、あんなものが私以外の者の目に触れたらと考えると恐ろしい。
見つけた人は速やかに届け出ること。
さて、彼氏と別れた私は、案の定時間を持て余して情けない状態になっていた。
幸い良い友人に恵まれたが、女友達は夜学校や仕事に出ていたり彼氏がいたりして、そうしょっちゅう会えるわけではなかった。
また、男友達が来るのは気まぐれで、私の心の隙間など彼らの人生に全く感知するものではなかったのだ。
そんな男友達の中のひとりと酔っ払ってケンカをする。
傷心の私はかなり面倒臭いヤツになっており、「あんたなんかに私の気持ちが分かってたまるか!!」とバッグでバンバン叩いたのである(笑)
分かるわけないじゃん、知るかってんだよね全く。
気にしつつも仲直りはできていないNo.9である。
晴れた日曜日を呪い、ひとりの夜を持て余す。
この「余白」を私は、音楽に注ぎ込もうと努力している。
ベース、歌、ピアノ。
ひとりで黙々と練習していた。
ベースは主にボウイ、歌はレベッカや浜田麻里、ピアノはクラシックの基礎からピアノ曲など。
シンセを持っていなかったので、「バイトしてDX-7を買うぞ~~!!」と吠えている。
「そして曲をいっぱい作る!」と言うが、現時点で私のオリジナルは、この頃に作った半曲のみである。これが成果だ。
ところでなぜDX-7かというと、これしか知らなかったからである。
実際に楽器屋に行ったところ、新品か中古か分からないが、この当時の値段でケース付き120000円、ケースなし109000円となっていた。
レンタルレコードでRC、バービーボーイズ、SION、アン・ルイスなど借りる。
「ミュージックトマト」という音楽番組を見て、「どいつもこいつもライバルに見える。」などとほざく。
「早く動き出せと言われているようだ」と言うが、とうとう動き出しなどしないことを、30年後の自分は知っている。