重なる時は重なるもので、あっちもこっちも大変な事になっている。
というか、実際にはまだ大変ではないのだが、どれも恐ろしく大変なことを予感させる上、すでにリーチがかかっているような状態だ。黒ヒゲ危機一髪の黒ヒゲにでもなった気分である。
おあつらえ向きに金曜日だが、明日は大切な客人が来るので、飲み呆けている場合ではない。
まぁこんな時に深酒するとロクな酒にならんだろうから、節制に甘んじる。
しかし、過去に「甘んじた」実績がないので不安だ。
抱っこが嫌いな大五郎が、膝の上で喉を鳴らして丸くなっている。
先ほど、嫌がる大五郎を無理やり抱いて、美容院の洗髪のごとく頭をゴシゴシしごいてやったら、これが気持ち良かったらしい。その場で撃沈した。
そればかりでなく、今度は自ら膝に乗ってきたのである。
ついに大五郎を落とした。スゴイダロ。
そんな大五郎が膝に乗っているので、動くに動けなくなってしまった。
寝ている。
ホントにおかしなヤツめ。
さっき突然爪を立てたのでそれが腿に刺さり、私は「アイテー!!」と声を上げたのだ。
想像して欲しい。
部屋にいるのは4匹の猫と人間ひとり。
全猫寝ている中、ひとりの人間が唐突に「アイテー!!」と叫ぶのである。痛いが滑稽ではないか。
大五郎よ、悪いが限界だ。時間である。
ちょっと片付けないと、明日の客人がたまげるからの。