人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

落ちた大五郎

重なる時は重なるもので、あっちもこっちも大変な事になっている。

というか、実際にはまだ大変ではないのだが、どれも恐ろしく大変なことを予感させる上、すでにリーチがかかっているような状態だ。黒ヒゲ危機一髪の黒ヒゲにでもなった気分である。

おあつらえ向きに金曜日だが、明日は大切な客人が来るので、飲み呆けている場合ではない。

まぁこんな時に深酒するとロクな酒にならんだろうから、節制に甘んじる。

しかし、過去に「甘んじた」実績がないので不安だ。

抱っこが嫌いな大五郎が、膝の上で喉を鳴らして丸くなっている。

先ほど、嫌がる大五郎を無理やり抱いて、美容院の洗髪のごとく頭をゴシゴシしごいてやったら、これが気持ち良かったらしい。その場で撃沈した。

そればかりでなく、今度は自ら膝に乗ってきたのである。

ついに大五郎を落とした。スゴイダロ。

そんな大五郎が膝に乗っているので、動くに動けなくなってしまった。

寝ている。

ホントにおかしなヤツめ。

さっき突然爪を立てたのでそれが腿に刺さり、私は「アイテー!!」と声を上げたのだ。

想像して欲しい。

部屋にいるのは4匹の猫と人間ひとり。

全猫寝ている中、ひとりの人間が唐突に「アイテー!!」と叫ぶのである。痛いが滑稽ではないか。

大五郎よ、悪いが限界だ。時間である。

ちょっと片付けないと、明日の客人がたまげるからの。