音楽室が片付くまでは待てない。練習は日曜日だ。
とりあえずピアノまでの道を開通させ、腰をひねってそこまでたどり着く事がでるようにした。
曲は何度も聴いた。
18曲は多いが、ロックンロール、ブルース、ロカビリーなどオールディーズが多く、構成がシンプルで短い曲ばかりなので助かった。
昨日のうちにピアノパートをイメージし、とりあえずCDにあわせて弾きたいと思っていたのだ。
こういうと何だかちゃんと弾ける人のようだが、もしかしてPなんかで演ってたりする話を書いたりして、誤解をさせているかもしれないのでハッキリ書く。
私はド下手である。
Pで弾くのは酔っ払っているからであり、理性が飛んでいるからそんな事ができるだけである。
プレイヤーではなく、単なる「酔っ払い」の領域だ。
ステージを荒らして、嫌がっている人もいるんじゃないかと思う。
じゃあなんでバンドなんか引き受けたのかと言うと、簡単なものならできるし、オールディーズをなめておったのだ。
そもそも、いなくてもいいようなポジションだ、ピアノは。
できなきゃヘラヘラしてりゃいいと、軽く考えていた。
しかし、聴いているうちにイメージができてきたので、真面目に取り組む事にしたのだ。
ピアノまでの遠い道のりも、開通すれば2歩である。
出勤前の15分、私はピアノに向かったのだった。
分かりやすいオチで申し訳ないのだが、イメージできたからと言って弾けるわけではなかった(笑)
そもそも私のイメージはジャズピアニストのそれに近いものであり、言い換えれば理想である。
ド下手がいきなり理想のイメージを弾けるなら、私はPでもっと愛されているはずである。
最初私は笑った。
あまりの弾けなさ加減に笑った。
しかしそのうち、笑えなくなった。
えらい事になってしまったぞ。
どうすんだ、これ(汗)
上手くて知識もあるみなさまは、「このキーはCね。」などと言うとそれだけで1曲弾いてしまうが、クラシックから入った私にはまず、アルファベットのキーがすぐに出てこない。
Cと言ったらハである(笑)
その上コードの概念もないので、キーだけでなくコードで言われても一つずつ考えて押さえていかないと弾けないのだ。
なので私はアドリブが弾けない。
アドリブを弾かなくてはならない場合は事前にご連絡を頂き、アドリブを考えて譜面に起こさなくてはならない。
もはやアドリブではないアドリブである。
スーさんが選んだ曲は、ピアノのあるものはラフに弾いているもの、つまりアドリブで好き勝手にひいているものばかりであった。
スーさんは歌詞とコードの譜面をコピーしてマスターにあずけておくからと言っていたが、私には必要ない。
こうなったら自分で1音ずつ拾うしかないのである、単音もコードもEE:AEB64
ピアノのない曲に至っては、自分で考えて譜面にしなくてはならない。
つまり私の言うところのアドリブである。
そうなると一番ラクなのは、たった1曲のボーカルである。
当然私はそこに逃げる。
しかし風邪だか飲み過ぎだかで、声がしゃがれてしまっているEE:AEACB
ああ、逃げたい。
スーさんがキーボード募集中ですEE:AE468