成功、達成、合格。
自信、実績、そして次への階段を上る。
おとといの忘年会は、帰宅が遅くなった事を除けばそこそこきれいに飲んで帰ることができたと自負していた。
記憶が曖昧なので絶対とも言い切れないが、誰だって飲めば体の状態は変わる。
ある人は顔が赤くなるだろうし、ある人は陽気になる。
飲んで記憶が落ちるのは、私の標準装備的症状なのだ。
それを考えれば「きれいに飲んで帰った」と言ってもいいのではないか。
と、思っていたのだが。
1日経って、分かってきたこともあったのだ。
やはりきれいに飲むなんて、どだい無理なのだろうか。
まぁ最初に言っておくが、それでも比較的軽症ではある。
次への階段は、確実に上っているつもりでいる。
それに気付いたのは夕方ぐらいになってからだ。
昨日私は、「早」朝帰りと飲み過ぎの影響で、昼まで寝ていたのだが、その時点では全く気付かなかった。
その後何度か寝室に出入りしているうちにやっと異変に気付くのだが、自覚するとそれは、恐ろしいほどの変化であった。
部屋中が・・・、
めっさ・・・、
醤油臭い。
寝室が醤油臭いなどという事態はありえない状況であり、本能的に認知できなかったのだろう。
しかし分かってみれば「思いっきり醤油充満」である。
しかし何で?
「寝室が・・・醤油臭い・・・。」
「醤油!?」
「でも・・・、普通に考えてあり得ないんですけど。元がわかりません。」
「でも臭いんでしょ!?どっかに何かが・・・。」
「どこかで酔っ払って醤油持って帰って来たりしてない?」
持って帰るにしても、飲み屋である。パックの醤油ではなく、瓶なり醤油さしなりに入っている。
「こぼしたんじゃない?」
何度も書くが、結構しっかりしていたはずである。
醤油をこぼすようなダメージがあれば、覚えているはずだ。
でもこの強烈な臭い、ハンパな量ではないはずだ。
あ。
「ぽ子さん、なんでこんなところが濡れてるの~~!?」
シメのラーメン屋の前で、上司グッティ氏に何度か言われた気がする。
あぁ私はやっぱり相当酔っていた。
言葉の意味は分かっていても、それが実際どういう事なのかが分かっていなかった。
もしかして、それが醤油!?
私は寝室にすっ飛んで、娘ぶー子に借りたベストを手に取った。
持ち主のぶー子が、絶対に笑ってはいない笑顔を作ってこっちを見ている。
「・・・くさい、超臭い、超醤油(笑)」手に取ったベストをぶー子に渡す。
あの夜の記憶を巻き戻す。
怪しいのは沖縄バーだ。
踊った、踊り狂った、あ、そうだ、踊りにくいから靴脱いだ、ああ、そう言えば、暑かったからベスト脱いだんだ。
イスの背もたれに掛けたはずだ。
醤油がそれを目がけて飛んできたのか。う~~ん。
そう言えば、床がところどころ濡れてたな。
割れたグラスを見た覚えがあるから酒だと思ってたが、中には醤油もあったのか?
そしてそこにベストが背もたれからズリ落ちた・・・あたりではないだろうか。
いずれにしろ、ぶー子から借りたベストは醤油まみれになっていた。
忘年会に行くにあたっての目標のひとつ「借りた物を壊さずに返す」、壊した訳ではないが、借りた状態では返せなかった。
それにしてもその率まさに70%か。
もうぶー子から借りるな、とダンナは言うが、ぶー子は貸してくれるのである。
そんなにイヤなら借りずに済むほどの服を買ってくれや。
そして実は、これでだけに留まらなかった。
これはまだぶー子には言っていない。
これも気付いたのは昨日である。
意外とシャキっと帰ってきたと。気分良くラーメンをダンナと食べていた。
ラーメン屋である。
そこでラーメンを食べていたら、首からホロリとネックレスが垂れてきた。
これもぶー子から借りたものである。
外れて落ちてきたのだ。
落ちたのはその時だが、いつから外れていたのだろう?
そいつを拾い上げると、そこには小さなリングがひとつ残っていただけであった。
自分のものじゃないので正確な形状は覚えていないのだが、確か小さなリングが数個とイミテーションだろうが石かなんかがついていたような印象だ。
リングと宝石、どこ行った!?
えれーこっちゃ、さすがにこれは言えない。
言えないが、いわないのは卑怯だ。
卑怯だが言えない。
だって醤油とダブル~~!!EE:AEB64
まぁそんなに高いものではないと踏んでいる。
金だ。
大人の解決法である。
・・・言えなきゃ進めないのだが。
あぁ、気が重い。