そんな風に育てるつもりはなかったが、結果的にそんな風に育ててしまったのは私達だ。
それでもエル可愛さに「これでいい」と思っている部分が多いのだが、こんな姿を見ていると胸が痛む。
文字通り猫可愛がりして育てたエル。
えこひいきと言われようが、死の淵から蘇ったエルを「私達の子供」として育ててしまった。
結果、エルは人間サイドになってしまった。
午前中のまだ寒い時間。
姉やん猫たちはエルを拒否したりはしない。
それなのに、こうしていつもひとりぼっちで寝ているのである。
誰かが座ればその腕の中に飛んで来る。
それが可愛くて、多少自分の用事を犠牲にしても、その場所を動かないで寄り添っている私たち。
ますます絆は強くなり、ますます姉やんとの距離が開いていく。
分かっちゃいるけど、どうにもできない私たちであった。