人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

ラーメンの神

早く寝る意思はあったのだが、昨日は夜中の12時半にダンスの練習でクタクタになって娘ぶー子が帰ってきたのだった。

今日も5時半起きで練習に出ると言うので、先に寝るのも気の毒だと思い、彼女が寝るまで起きている事にした。

その間にネトゲで3クエスト分プレイできたので、これはこれで悪い話ではなかったが。

詳しく言うとその3クエの内訳は「強敵2」「報酬が大きい敵1」であり、全てクリアし、悪くないどころか嬉しい内容であった。

こういう場合夜更かしの原因は、子を思う親心になるのか、モンハンになるのか。

しかし、後悔するのはいつも朝である。

8時に出発、と聞いていたが、予定の7時には起きれなかった。

ダンナの起こし方も「朝ご飯食べないでその分寝る?」という私の行動を先読みしたものだったので、答えは最短の「ウン」で済んだ。

長く一緒に暮らすと、この辺が簡略化できるのがメリットである。

それでも寝坊したが、まぁいつも寝坊生活なのだ。支度は早い。

15分で準備を済ませ、10分の余裕を残した。

こんなんだから、また次も寝坊するのである。

今日はウォーキングである。

行き先は葛西臨海公園だが、ダンナの健康保険組合が企画したもので、しばらく時間が拘束される。

そのために出てきたのだから拘束は構わないのだが、気になるのは飯である。

公園内にそんなシャレた食べ物(ラーメンは「シャレた食べ物」である)は期待できないから、ウォークラリーが終わってから食べる事になるが、そうなると今日も朝抜きである。

幸い昨日の食い過ぎがまだ響いていたのでそれほど空腹ではなかったが、歩いている間じゅう「どこで昼飯を食べるか」という事で会話の大部分が占められてしまった。

葛西臨海公園から自宅のある久米川まで帰るルートは、結構たくさんある。

つまりそれだけ「立ち寄れるラーメン屋」が多いという事になるが、なんの情報も持たずに自由度ばかり高くても途方に暮れるだけである。

一応携帯でネットができるが、料金がかさむので普段はほとんど使わないようにしている代物だ。

しかし、こうなると非常事態である。

午後2時、葛西臨海公園で空腹。

私は手の平に入るパソコンで、「ここ一番」の出番とばかりにラーメン屋の検索を始める。

しかし使い慣れていないため、なかなか求める答えにたどり着かない。

そもそも葛西臨海公園から久米川までの間にあるラーメン屋の中から行きたい店を探すなどという事は、都内のホストから手ごろなのを一人選ぶような難しさがあるのである。

例えが貧困(笑)

ところで先日国会議員加藤氏が「全てIT化しろ!」と絡まれた時に説明したように、コンピューターというものは、たくさんの情報の中から一つを見つけ出すのは得意だが、全体を平行して見渡すのは苦手なものである。

あのコンピューター馬鹿にラーメン屋の検索を携帯でさせればすぐに理解させることができただろう。

つまり、目当てが見つからなかったのだ。

こんな時は本屋でラーメンガイドを立ち読みする事にしているが、葛西臨海公園という駅は、葛西臨海公園の目の前にあり、途中にある店は駅と合体したマックと日高屋とコンビニだけである。

一応コンビニも見たが、やはりラーメンガイドなどという特化したものは置いていなかった。

東京駅に向かう事にした。

そこならまだ融通が利くし、本屋もあるはずだ。

駅に近い大型の本屋でラーメンガイドを立ち読みし、目黒で話題の店に寄る事にした。

念のために同じ目黒で補欠もピックアップしておいた。

もうウォーキングでクタクタである。

山手線で爆睡。

重い足を引きずって目黒からラーメン屋に向かったが、目当ての店の前には「本日は閉店しました」との看板が出ていた。

まだ数人並んでいたので、麺切れかスープ切れになったばかりなのだろう。

くじけるな、サンタイザベル・ぽ子よ、まだ補欠がある。

補欠はほんの数歩歩いた先だったが、こちらも昼の部は終わっていた。

ここでまた振り出しに戻ってしまった。

情報、ナシ、空腹、疲労。

「オレ、もう何でもいいよ・・・。」ダンナがヘタレたが、私はこういう時には本当に我ながらしぶとい。

ここまで苦労した挙句にマックとか、そんな負けは絶対に嫌なのだ。

「新宿。新宿に新しい店が何件かあったはず。ガイドがあればわかる。」私は預言者のように確信的に言った。

しかしそのためにはもう一度本屋に行かなくてはならない。

駅ビルに見つけたが、もうダンナはウンザリしたように大人しくなっていたので、私がひとりで3階まで行く。

さそり座、AB型。ダイ・ハード。

山手線で新宿まで再び爆睡。

南口から歩き、歩いた先には「味の向上のため研究中です。しばらく休ませていただいています」の貼り紙であった。

正直私はまだまだリサーチの余力はあったが、ダンナがもう怒りに近いダメージを受けていたので、来る途中で見つけたラーメン屋で手を打った。

こういうことはこれまでに何度もあった。

私達はラーメンが大好きだが、実はあまりラーメンの神(石神さんではない)には好かれていないようだ。

今日の朝御飯も4時。

だからと言って痩せる気配もないが。